お子さんがコロナウイルス感染症に罹患し、後遺症として味覚障害が残っているとのお話を伺いました

私は医師ではないので、治療法についてお伝えできないのですが、単に「味覚障害」という表に出ている者だけではなく、その原因については様々なことが考えられますので、少し味覚障害についてお話ししたいと思います

 

  味覚障害とは

味覚障害は、味が分からなくなったり、舌の感覚がおかしくなったりするといった症状が出る病気です

人間の舌には、味を感じる「味細胞」という小さな細胞が多数存在しています。味細胞は、舌の表面や奥にあり、「味蕾」とよばれる蕾のような細胞の中にあります

 

食べ物を食べると、味の素となる化学物質が唾液と混じり合い、それを味細胞が「甘味」「塩味」「酸味」「うまみ」の5つの味に判別。その後、大脳へ情報が伝達され、私たちが「食べ物の味」を認識するのです

 

味覚障害とは、このプロセスが機能しない状態のことをいい、「味がしない」「変な味がする」といった症状が出るのです

 

  症状

「味が分かりにくい」「いつもの味と違う」「特定の味が強く感じる(または、弱く感じる)」などといった場合が多いのですが、一般的には味覚障害には7つの状態に分けられます

  • 味覚の低下・・・味がしっかりと感じられなくなる
  • 味覚の消失・・・味覚の低下が進み、全く味が感じられなくなる
  • 解離性味覚障害・・・特定の味覚だけ分からなくなる
  • 風味障害・・・臭覚障害のため、味覚が低下したと感じる
  • 自発性異常味覚・・・口の中に何も入れていなくても、酸っぱい、苦いなどを感じる症状
  • 異味症・・・本来の味とことなった味を感じる症状
  • 悪味症・・・食べてないのに、嫌な味がする症状。口の中に味が残っているという感覚

自分にどんな「味覚障害」があるのかを知ることが、原因や適切な治療に繋がります

味覚は、甘味(砂糖)、塩味(塩)、酸味(レモン汁)、苦味(アロエなど)、うまみ(出し汁)などで確かめることができます

 

  原因

原因は様々ですが、亜鉛不足が多くいわれます

味蕾にある味細胞は、味を感じるために亜鉛の働きが必要であると分かっています。ですから、亜鉛不足は、味細胞の機能低下に繋がり、味覚障害になるというのが一般的な考え方です

 

他にも、服用中の薬の影響や、不規則な食生活、過度なストレス、臭覚障害などが原因で味覚障害を感じることもあります

薬だと、抗菌薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、関節炎の治療薬、甲状腺薬などでおこる可能性があるといわれています

 

 

  改善方法

改善するためには、亜鉛を多く含む食品を取ることがすすめられます

 

  • 牡蠣
  • 小麦(胚芽)
  • ごま
  • うなぎ
  • 卵(卵黄)
  • アーモンド
  • チーズ
  • 抹茶
  • 豆腐
  • 大豆
  • 海藻

などが亜鉛を多く含む食品としてあげられます

食品からの摂取が理想的ですが、亜鉛は他の食品成分の作用で吸収率が低下することもあります

 

亜鉛の吸収を高める栄養素として動物性タンパク質、クエン酸、ビタミンCが挙げられます。 肉、魚、卵、牛乳、柑橘類などの食べ物と一緒に亜鉛を摂取すると効果的です。 また亜鉛は水に溶けやすいため、亜鉛を含む食材を汁ものやスープにするのもおすすめです。牛肩ロース、牛モモ肉などにも豊富に含まれていますから、しっかりとバランス良く食事を摂るのが一番であることが分かるかと思います

 

逆に、(腸からの)亜鉛の吸収を妨げるものとしてよく知られているものは、コーヒー、オレンジジュース、カルシウムなどがあげられます。 これらを過剰に摂ることにより、きちんと亜鉛を摂っていても十分に吸収されず亜鉛不足になる場合があります

また、亜鉛が多く含まれているとされる未精製の小麦や種子等の穀類・豆類に多く含まれる「フィチン酸」は、逆に亜鉛の吸収を妨げる物質でもあります

 

亜鉛不足は、そのほかに免疫力の低下や皮膚や爪の異常のほか、(こどもの場合は)成長を阻害する要因にもなります

亜鉛不足で味覚障害が出ているようであれば、このような部分にも何らかの異常が出ているかもしれません

 

  臭覚と味覚

嗅覚と味覚は、密接に結びついています

 

舌の味蕾は味を識別し、鼻の神経は匂いをかぎ分けます

これらの感覚はともに脳へと伝達され、脳がその情報を統合することにより風味として認識し、味わうことができます。塩味、苦味、甘味、酸味など一部の味覚は、嗅覚がなくても認識できますが、例えばラズベリーのような複雑な風味を味わうには、味覚と嗅覚の両方が認識される必要があります

嗅覚は味覚にも影響を及ぼすため、かぜを引いていると食べものの味が正しく分からないことがよくあります

 

  味覚障害とアロマ

 

感冒後の嗅覚鈍麻による味覚低下の方にご紹介したのが「嗅覚刺激療法」です

 

コロナウイルス感染症の後遺症としての味覚障害(臭覚障害)に有効かどうかは不明ですが、少なくとも一般の風邪症状などによる治療の補助療法としては施行してみる価値はあると思います

 

 

臭覚刺激療法

「バラ、レモン、ユーカリ、クローブの精油を1日2回、10秒嗅ぐこと」を3ヶ月以上継続することで、嗅覚障害を改善する治療方法です

 

発症から1年以内に開始することで嗅覚神経細胞を刺激、再生を促す効果があると期待されています

使用する嗅素(匂いの素)は必ずしも上記4種類で無くても可能です。たとえば市販のこちらの製品でも可能です

 

 

「意識して匂いをぐ」ことを生活の中で実践することが改善のきっかけになります

嗅覚刺激療法だけで改善するわけではありませんが こういった生活習慣指導が嗅覚改善を後押しすることになります

 

これは、臭覚障害や味覚障害の方だけではなく、一般の方にもオススメです

やはり、年齢を重ねていくと、臭覚の低下が味覚低下の原因となり、食事が楽しめなくなることで食事の質が低下し、身体に影響を及ぼす場合もあるからです

 

ただし、一般のアロマオイルとして販売されているものではなく、精油(エッセンシャルオイル)を使用するようにしましょう

また、使用する場合は注意事項を遵守してください

 

直接、瓶などに鼻を近づけて行うのではなく、ムエット(紙スティック)などの使用をお勧めします

 

 

 

また上記4種類「バラ、ユーカリ、レモン、クローブ」の代用として「ココナッツ、パイナップル、バニラ、湿布薬嗅」があります。
コロナウイルス感染症の嗅覚低下の程度を計る香りとして、「バラ」が注目されています

「バラ」の匂いが判別出来る患者さまほど嗅覚鈍麻の改善傾向も良好だとされるようです

 

試してみてはいかがでしょうか

 

また、バラの香りは心を明るく高揚させ、神経の緊張やストレスを和らげてくれ、自信を無くしてしまった際に自分を肯定でき、幸福感を抱かせてくれます


また、脳内ホルモンのオキシトシンの分泌を促してくれます

オキシトシンは「幸せホルモン」とも言われ、自律神経のバランスを整えたり、ストレスを緩和し気持ちをポジティブする働きがありますので、心からくる臭覚障害による味覚低下にも有用だと思います

 

嗅覚障害、味覚障害に対して、精油で嗅覚トレーニングをすることは価値が高いと思いますので、お試しください

 

ちなみに、私も購入しましたが

こちらの福袋にはローズも入っていてお得です

如何ですか?