国民文化祭県民参加事業「安藤昌益をみんなのものに!」の事務局に入っているので安藤昌益関係の本を読む機会が多い。インターネットで探して購入した1冊「安藤昌益からの贈り物」(石垣忠吉の物語)が届いた。昨日読み始めたら面白くて一気に読み終えた。実は石垣さんは私が東京から25歳で故郷に帰ってきた翌年1973年に町内に約300年前から伝えられている獅子踊りについて聞きたいと訪ねてきたのだ。当時、大館市史編纂委員として調査に着手したのだった。獅子踊りは笛と太鼓を鳴らし「呼び太鼓」で住民を集め、最初に「奴踊り」続いて「棒使い」「萬歳」「獅子舞」と続くものです。当時、数年前に復活し私は「萬歳」を演じていたので石垣さんに色々聞かれたのを鮮明に覚えている。現在、大館市史第四巻に収められている。石垣さんはその翌年に安藤昌益のお墓を温泉寺で発見し大ニュースになったのです。あれから40年経って「石垣忠吉の物語」に触れて人柄がわかりもっと懇意にしておけばよかったと後悔している。読んでいるうちに読むのを止められなくなったのだ。何と石垣夫妻は私の地元の「長木小学校」の先生をし、そこで知り合い大恋愛を得て結ばれていた。本の後半は石垣さんの遺稿が掲載されている。下ネタ話も面白いが途中で私の父の名前が出てきて似た名前もあるのかなと思ったが父でした。何と石垣さんの奥さんの教え子の一人がロシア革命の年1917年生まれの父だったのです。石垣さんは、晩年は寝たきりの奥さんを介護し身体が90度に折れるほどになっても下の世話をし娘さんに触らせなかったとある。そして「おれが使ったところだから、おろそかには出来ネ」とある。愛妻介護物語である。読み終えて、2年前他界した妻の病室に3週間泊まり込み介護したのを思い出した。そして石垣さんのようにもっとやさしくしてあげればよかったと思った。(合掌)

 町内に保存されていた「下代野獅子踊り」は生活様式が変わり後継者が集まらず途絶えて10年が過ぎた。萬歳は二人で演ずるが下ネタ話で教えたくても恥ずかしがって誰も来ない。町内の萬歳は「新珠萬歳」「上方漫才」「扇萬歳」と3種類あったらしいが今は「上方萬歳」より残っていない。国民文化祭県民参加事業「安藤昌益をみんなのものに!」の大館会場(大館市民文化会館)10月14日(火)午後1時30分から始まる辻信一教授の講演会のオープニングアトラクションで萬歳を演ずることにしているが最後になるかもしれない。菅沼紀子先生にもお知らせしようと思います。