渋谷教育学園渋谷(渋渋)と渋谷教育学園幕張(渋幕)では、各入学試験において、成績優秀と判断された受験生を、「特待生」として合格発表しています。


「特待生」には、規定の奨学金が一年間給付されるため、両校の受験生の中には、一度合格しても、二度、三度と受験するケースが珍しくないようです。


今回は、両校の特待生制度について、我が家で把握している情報を記したいと思います。


(下記1〜4は、両校のサイトに記載の情報に、在校生(特待生経験者)にヒアリングして得た情報、田村哲夫学園長著『伝説の校長講話』に記載の情報を加えたものです。1、3、4の内容は、サイトや書籍に掲載がない情報を含むため、最新の公式情報は、説明会等でご確認いただければと思います。)


1.各入学試験で発表される「特待生」の人数は、入学辞退者を見込み多めの人数となっています。


2.中学一年の特待生は、入学納入金(入学金・施設拡充費)と授業料相当額の奨学金が一年間給付されます。


3.中学二年以降は、年度毎に、「学業成績が優秀で、将来社会に貢献するにふさわしい資質を備えていると認められた生徒」が、特待生として認証され、授業料相当額が免除されます。
(渋渋の場合、23年度は各学年10名前後が特待生として認証されたとサイト内に記載があります。)


4.特待生は、4月に中高合同で行なわれる「特待生認証式」にて、『特待生認証状』が授与されます。
この認証式には、特待生の保護者も参加が可能です。
式の終了後は、スマホでの写真撮影や歓談の光景が見られるようです。



両校のサイトによると、上の特待生制度は、前理事長故田村國雄先生の遺徳を偲び設立された「田村奨学基金」がその由来とのことです。


故田村先生は、鉄道車両の清掃をして苦学されていたところ、鉄道省が募集した給費生に選ばれ、その支援により、東京商科大学(現・一橋大学)に進学されたそうです。


そのご自身の経験から、学業に励む若者を経済的に支援したいという想いを持たれたようです。



上の故田村先生についてのエピソードは、『伝説の校長講話』の後半に、現理事長・学園長田村哲夫先生への取材を基にした記事の一部として収められています。


また、同書の前半には、21年度に渋渋で行われた全30回分(一学年5回×6年分)の田村先生による学園長講話の内容が、学年別に収められています。
(渋幕での講話もほぼ同じ内容とのことです。)


この学園長講話では、国内外の思想や歴史、科学の発展などが、「中高生のリベラル・アーツ」として分かりやすく解説され、大人にとっても気付きに満ちた内容かと思います。


在校生・受験生の方には、ネタバレになってしまうため、講話を聴くまでは読むことをお勧めしませんが、渋渋・渋幕の受験を検討されている保護者の方には、両校の教育理念を知る上で、非常に参考になる内容ではないかと思います。


加えて、以下の話題についてもそれぞれの背景が記されていますので、説明会に参加出来なかった場合や、説明会で必要事項の確認が出来なかった場合には、同書で確認することも可能かと思います。


・渋渋・渋幕が、人気が定着した今も、複数回入試を続けている理由

・渋幕だけが高校入試を続けている理由

・ブロック別カリキュラム編成の目的

・シラバス導入の目的

・各種研修制度、自調自考論文の目的

・両校にほぼ校則が無い理由、チャイムが鳴らない理由

・学外での行事が現地集合・現地解散の理由

・昨年渋渋から麻布台ヒルズに移転した「ブリティッシュ・スクール・イン 東京」設立の経緯


その他、英語教育や海外大への進学等、受験生の保護者にとって関心の高い話題が、多数採り上げられています。


ご興味がございましたら、ご一読の上、志望校選定にお役立ていただければと思います。