SAPIX生は、6年夏に『有名中学入試問題集』という、最新の「入試問題」「解答用紙」「解答解説」を収録した過去問集を購入します。

(下記※参照/自宅に届きます。)



この『有名中』、三分冊の冊子ですが、問題編だけで頁数が400頁を超え、片手で持ち上げるのはためらうような重量感があります。
(保管スペースも取ります。ただ、存在感があり過ぎるため、部屋で迷子にならない点は助かります。)
 

さて、この『有名中』、進め方については、事前に先生方より詳しい説明があります。

まず開始の時期は、基本的に夏休み以降です。
これは、『有名中』を解くのに必要な学習を、一通り終えたタイミングで取り組みを始めるためです。

また、その進め方は、教科により大きく異なります。
以下は、息子の校舎での進め方の例です。


1)学校別に提出日が決められ、自己採点後に提出すると、添削指導を受けられる教科

◯◯中学;8月□日提出
△△中学;8月◇日提出 など


2)学校別ではなく、単元と大問別に難易度でソートされた一覧表が配られ、それを参考に、易しい問題から順に個人で取り組みを進める教科

物理│力学│▲▲中学│大問4│ばね│難易度A
物理│力学│☆☆中学│大問4│滑車│難易度D
物理│力学│◆◆中学│大問6│てこ│難易度E など

(全教科、受験する可能性がある学校の問題は飛ばして解くことが推奨されました。受験校の過去問は、なるべく4教科をまとめて、実際の入試の順に解くほうが得られるメリットが大きいためです。)


このように、『有名中』についてはSAPIXのカリキュラムに従い、先生方より最適な取り組み順を教えていただけるため、フライングは控え、指示を待って開始するのが、無駄がないように思います。


また、市販の過去問も、順次出版されますが、それらについても9月以降、指示に従い解き進めるのが、最も効果が高いように思います。


なお、『有名中』も過去問も、一旦着手すると、付帯作業が多く、自転車操業になりがちです。
できれば前期のうちに、必要な作業を洗い出し、予めトライアルを進めると、作業の手間と時間、必要なものを把握でき、本稼働へスムースに移行できるかと思います。


以下は、事前に可能な準備の例です。


1)コピー機の購入またはレンタル

『有名中』の添削を先生に依頼する際は、以下の三点セットを提出する必要があります。

a)問題文のコピー
b)実物の倍率で印刷した解答用紙(自己採点済みのもの)
c)解答解説のコピー


a)とc)については、『有名中』の紙面を等倍でコピーすればOKですが、b)の解答用紙については、用紙欄外に示された「実物の倍率」に従い、コピーする必要があります。
(学校で原寸大の入試問題を販売している場合は、そちらの解答用紙を利用することもできます。また、四谷大塚の過去問データベースから用紙をダウンロードする方法、過去問の出版社のサイトから用紙をダウンロードする方法もあります。)

いずれの場合も、コピー機は必要なため、できれば前期のうちに、受験校の過去問を参考に、必要なサイズのコピー機を用意すると良いかと思います。(我が家は、A3対応のコピー機を購入しました。)


コピー機は、コンビニ等で利用することもできますが、各種オープンや入試の受験票の印刷、受験周りの書類の印刷、解き直しのための印刷など、6年後期はほとんど毎日使用していたため、購入して良かったと思いました。(入試が近付くにつれ、一分一秒の重みが増してゆきます。一工程でも省略できると、×数十件で大幅な時間の短縮になります。)


2)編集上の都合で掲載がない問題文の手配

『有名中』と過去問では、国語を中心に、著作権上の都合等で掲載がない問題文があります。
志望順位が高く、問題を解きたい学校の場合、学校で販売している入試問題、四谷大塚のデータベース、他社の過去問等を調べると、省略部分が見つかる場合があります。
また、引用元の文献が分かる場合は、そちらを直接入手する方法もあります。


3)出題傾向の把握と対策

息子が使用した「声の教育社」刊の過去問には、出題分野の傾向と対策が記載されていました。
こちらで頻出分野を予め把握しておくと、苦手な分野を重点的に学習するなど、過去問の開始前に対策を講じることが可能です。
(筑駒のてこや電気、開成の東京問題など、最難関の頻出分野については、筑駒開成コースで対策プリントが配られました。ただ、入試問題の傾向も変わりつつありますので、教材編成も変更があるかと思います。)



以上、少し時期は先ですが、事前準備のことを考え、『有名中』及び過去問について記しました。
何かお役に立てる情報がありましたら幸いです。



季節が足踏みしていた先週でしたが、春の兆しもそこここに感じられます。
私は、毎年春にサニーデイ・サービスの『東京』を聴くのを楽しみにしています。
いつ、どこで聴いても素晴らしいアルバムですが、桜の時期に聴くと一層胸に沁みます。
今年も、無事に春を迎えられたなあとほっとします。


小さなブログにご訪問くださりありがとうございます。
皆さまにとってこの春が穏やかな優しい季節でありますように。









※『2023年度受験用 有名中学入試問題集』(2022年刊行)には、男子校19校、女子校18校、共学校11校、計48校の直近の入試問題が収録されていました。
主に収録されていたのは、首都圏の中学でしたが、灘やラ・サールの問題も収録されていました。
収録校は、年度により異なる可能性があります。
また、編集上の都合により、一部の学校では収録のない教科がありました。









サニーデイ・サービス/『東京』