先日、今年の東西最難関の入試問題を、Webでチェックしていた息子が言いました。

「渋渋の理科の大問1 問3、『世界くらべてみたら』のSDGs特集で見た内容だよ。
渋渋の先生、『せかくら』見てるのかなあ」


詳細は伏せますが、上の渋渋第一回の設問が、2022年放送『せかくら』SDGs企画の内容と、一部重なっていました。


それで思い出したのが、SAPIX主催のテストでは、テレビや動画で視聴した内容が、思考力問題や記述問題として、度々出題されていたことです。


以下は、それらの問題の一部です。


・ドローンに関する思考力問題;
『有吉のお金発見突撃! カネオくん』の内容(カネオクイズ)と、同じだったため正解

・ヤングケアラーに関する記述問題;
NHKスペシャル『ヤングケアラー』を視聴していたことが、答案作成の助けに

・地理に関する記述問題;
『名探偵コナン』に出た、指定の地域に特有の現象(サンピラー現象)が、答案作成の助けに



ほかにも、『ぴよぴーよ速報』や『GENKI LABO』、『中学受験のRestart』など、教材以外のメディアに触れて学んだ知識が、何度も答案作成の手掛かりとなりました。


当時私は、「見た内容が、偶然試験に出るなんて、幸運なことだなあ」と思いました。


今は、「因果関係が逆ではないだろうか。サピで学んだ知識がフックとなり、何かを見た際、周辺知識が引っ掛かるようになったのでは?」
と思います。



動画などの視聴を、どこまで許容するか、お悩みの保護者の方は多いかと思います。


ご家庭の状況により、その方針は異なるのが自然で、これが正解という答えはないように思いますが、我が家の基本的な受験期の方針は、以下のようなものでした。


・休憩時間は何を見てもOK。Eテレはむしろ推奨
・『NHKスペシャル』、『クローズアップ現代』の視聴は、長時間でもOK
・娯楽メインのコンテンツは、倍速機能を利用
・秋以降、劇場版アニメは入試のあとのお楽しみに

基本は上の方向で、あとは状況に応じて調整していました。


息子は勉強の合間に、Eテレのサイトをチェックし、面白そうな番組を好きに選んで見ていました。
サピで学んだ理科を足掛かりに、『物理基礎』、『化学基礎』なども見るようになり、これらで学んだことが、本番の入試に出たこともありました。
(知識が無くても解答できる問題でしたが、初見で動揺しないで済んだそうです。)
    

この、コンテンツを「好きに選ぶ」という行為自体が、「既知の事項に関わる面白そうなものを選ぶ」という意味で、親の私が選ぶことでは生まれない、効率良く知識の幅を広げ定着させる効果を生んでいたのではないかと思います。 


また、息子が学習コンテンツを視聴する際は、私も手が空いていれば視聴し、画面に教材やテストで学んだものを見つけたら、
「切通、出たね〜! 歴史資料にあったね!」
と、適宜声を掛けました。
声によるインプットが、記憶をより定着させることを期待したものです。


息子も、一緒に何かを見ると、自然に声が出るようで、大河『鎌倉殿』で義時の子が産まれた際は、
「この赤ちゃんが、御成敗式目を……!!」
と、のちの泰時(金剛ちゃん)に見入っていました。




動画やテレビの視聴は、視聴し過ぎに気を付けるなら、既知の知識をフックに、周辺知識を広げられ、記憶を引き出す鍵を増やせる、また、思考力問題や記述問題を解く手掛かりにもなる、一石何鳥も狙える有効な手段になるかと思います。