17:18 最後 Factory AREA
ごみから生まれた物質やエネルギーは、やがて素材へと生まれ変わり、
ここFactory Areaで、人の生活で活躍する「もの」へと姿を変える。
階上の通路から一望できる工場では、ロボットアームが3Dプリントを行っています。
姿を現したのはスツール。藻類とバイオプラスチックを混ぜ合わせた、特別な素材で作られています。
Factory AREAの所々に置いてあり座ることができます。
やわらかいということは、こわれても簡単に直せたり、
チカラをしなやかに受け止めたり。古くなったら、
あたらしいものに作り替えることができます。
昔から日本には、ものを循環させる工夫があふれていました。
現代まで受け継がれてきた、日本のものづくりの知恵と技術を紹介しています。

展示されているのは日本の伝統的な「桶」と、日本の「竹かご」からヒントを得た
特別なサッカーボールです。どちらも釘や接着剤を使わず組み立てられる、パズルのような構造。
こわれたら、その一部分だけを取り替えて、修理できるように作られている
東京スカイツリーの中心には、どこにもつながれていない「心柱」が存在し、
地震のときに建物と逆の方向に振れ、全体の揺れを抑えるはたらきをします。
チカラをやんわりと「受け流す」工夫は、じつに日本らしい発想なのです。
衝撃を最小限に抑えるため「わざとこわれる」というユニークな発想。
月面探査のための小型月着陸実証機「SLIM」は、月面着陸時にあえて脚部がこわれることで、
衝撃を吸収して機体を安全に着陸させます。
京都府の木津川にかかる「流れ橋(上津屋橋)」も同じです。
かつて何度も洪水の被害に見舞われたこの橋は、増水した川の流れに強度で耐えるのではなく、
ロープにつながれた橋桁があえて流され、のちに回収して戻すことができます。
全体にかかる負担を、あえて流される橋桁の一部が「吸収する」ことで、一番大事な部分を守ることができるのです。
畳みかたを変えるだけでさまざまな使いかたができる風呂敷と、
世界中に熱狂的なファンを持つ日本発のコンテンツ「トランスフォーマー」。
「自由自在」という共通点があります。「機能に応じてものを増やす」のではなく、
「ひとつのものが担える役割を増やしていく」。
「堅く守る」という考えかたとは真逆の原理で、耐久性を高める。
そんな発想で作られたのが、小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」のカプセル。
大気圏再突入時に発生する1万度以上の熱を遮断するのは困難。
そこで自らを蒸発させながら「打ち水」のように熱を冷ますことで、内部の温度を保って耐えぬくことに成功しました。
古来より日本家屋の外壁に使われてきた「焼杉」も近い考えかたといえます。
杉の表面を焼き、炭化させることで腐食を抑え、一般的な外壁材よりも耐久性を高めました。
「劣化させる」という発想から生まれた、「耐えぬく」技術がここにあります。
巨大な建造物である日本館も、「循環」を前提に細部に至るまで工夫がこらされています。
壁に使われているのは、間伐材から作られたCLT(直交集成板)。
万博終了後に解体され、再利用されることを見据えて、可能な限り加工を抑えた工法が採用されています。
アテンダントが着用するユニフォーム、ショップの販売品用の段ボール製パッケージ、
パーツを3つの座面に分解できるスツールなども、リサイクルしやすい素材や構造を採用。
「次へ生かす」ために、すでに新たな一歩を踏み出しています。
水の吸収・放出に優れた「珪藻土」の特質を生かしたこの展示。
水滴を受ける円盤は、ひと周りするあいだに乾き、描かれた絵は消滅する。出現した瞬間から、
ほのかに消えはじめる繊細な絵画と、水の滴る心地よい音。
そのさまは、終わりとはじまりを繰り返す、ひとつの「循環」の現れ。
(珪藻土は、「珪藻」と呼ばれる微細藻類の死骸が、海や湖の底にたまり、化石になったもの。)
17:40 全てのエリアを堪能し、
ショップで娘に藻キティ(ランダム)を買い、
17:50頃退出。きっちり1時間滞在。
いやぁ~流石開催国の代表的なパビリオン。
万博のテーマに気持ちいいほどピッタリはまっていて、
かつ、説明は分かりやすく、
知的好奇心を大いに満たしてくれた。充実の時間だった![]()









































