柳ケ瀬線と柳ケ瀬トンネル道路化の話 | 鉄道きさらんど

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いつも列車・バスなど公共交通の事ばっか考えてます。

岩泉線が廃線する際に押角トンネルを道路へ転用するとのことだが、未成線でなく営業路線の廃線跡のうちトンネルを転用する代表例と言えば国鉄北陸本線の柳ケ瀬線の例があるだろう。といってもこの場合は明治時代から主要幹線として太平洋と日本海をつなぐ大動脈として優等列車や貨物をひっきりなしに通してきた由緒あるルートなのが新線付け替えでさびれただけで、最初から閑散路線でしかなかった岩泉線と同列にできないが。


柳ケ瀬線は元北陸本線で、北陸線木ノ本・今庄間のうち福井県側は複線電化に伴う新ルート付け替えに伴い旧ルートがすぐ廃止で山中トンネルが道路へ転用されたが、木ノ本・敦賀間は柳ケ瀬線として残ったものの短期間で廃止になり柳ケ瀬トンネル経由でバス転換となった。この場合は一般道ではなく国鉄バス専用道であり、民営化後に一般道に編入されたのが岩泉線のケースとは違うところだが。昔は国鉄が直営のバス事業をやっていたころは専用道も直営で、専用道でないバスの経路の道路さえも国鉄が除雪していたという。何とも贅沢なバス路線があったもので、鉄道以上に採算が合わないバス事業は国鉄経営に重荷なことや赤字83線や戦時休止線の代替バスが直営だったのに特定地方交通線転換バスは交付金で民間会社が運行する形態になったこと、特定地方交通線民営化した本州3社がバスをすぐに分社化した理由がわかる気がする。今が40年前の国鉄のままなら、岩泉線は直営バスで運行され押角トンネルも国鉄線と同じ扱いのまま、茂市駅経由で通しの切符もつくれただろう。専用道が直営なのはちょうどJR東日本BRTがそうだろうが、あれはあくまでも建前としては廃止していない路線の仮復旧代行でという扱いでミヤコーバスが運行を受託しているのが違い。

今は、柳ケ瀬トンネルを通り木ノ本・敦賀間を直通するバスはない。国鉄・JRが運行を担当した路線でも利用が減り、せっかくと峠越えがしやすいのだからバスを走らせればいいのにと思うが沿線集落は過疎化が止まらず地元会社に移管された路線は縮小している。だから岩泉線のようなところも鉄路で残せという気は毛頭ないが、旧幹線で集落が沿線に張り付いていて旅客流動が多めのところでもバス転換すればこうなるというケースとしてみておく必要があるだろう。しかし、北陸本線は今でも有数の大動脈で地域輸送も改善され、旧線ルート沿いに北陸道が開通し地域全体は人口が増え便利になるというハッピーな変化を遂げたことは岩泉とのちがいではある。

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