【仙結節靭帯:sacrotuberous ligament】
片側の殿部から下肢痛を訴える人の中には、下位仙椎から坐骨結節にかけて走行する仙結節靭帯内側部の緊張が反対側より高い場合がある。
仙結節靭帯の緊張が高くなることで生じる痛みにはいくつかの要因があると考えられる。
①仙骨前傾による伸張ストレス
仙結節靭帯の緊張が過度に高まると、仙骨前傾による伸張ストレスにより痛みが生じる可能性がある。
仙骨前傾が片側性に生じる片脚立位の荷重側、背臥位での股関節屈曲位、両側性に生じる背臥位からの起き上がり時や体幹屈曲の初期などで痛みが生じる可能性がある。
②仙骨前傾不足による仙腸関節の不安定性
仙骨前傾位は仙腸関節のCPPとなり安定性をもたらすが、前傾が制限されることで不安定性が生じ荷重時に痛みが生じる可能性がある。
③仙腸関節マルアライメントによる仙腸関節性
片側性の過緊張は仙骨下部を同側に引き、仙腸関節性の痛みが生じる可能性がある。
④S2-3皮神経の絞扼性
仙結節靭帯をS2-3皮神経が貫通するため、緊張が高まることで神経絞扼性の痛みが生じる可能性がある。
引用・参考文献
宇佐英幸:MRによる背臥位での一側および両側股関節屈曲運動の解析、理学療法学37(1)、2010.
蒲田和芳:骨盤-胸郭リアライメント法、理療38(4)、2009.
関連blog