塩の味が月の満ち欠けで変わるという
不思議なことがあるのを知っていますか?

「新月の塩」「中秋の名月の塩」など近年、
月の満ち欠けのタイミングに合わせて海水を取水し、
製品化した塩が流通するようになってきたようです。

甲田療法でも、減塩より塩をしっかりとる事を薦めていますが、
本来の天然塩の成分には、「にがり」と言われる物質があります。
お豆腐を凝固させるのにも使うものですが、
マグネシウムが豊富に含まれています。

こちらにたびたび登場するスイマグ(苦汁から精製した水酸化マグネシウムを

主原料とする習慣性のない瀉下剤)の主成分でもあります。

人の体にはこのマグネシウムがとても大事で、必須成分ですが、
最近は不足している人が多いと聞きます。

マグネシウムの必要性は、またの機会に譲るとして、
月と塩の味の関係についても不思議なことがあるので
お伝えしたいと思います。

引力によって潮の満ち引きが生じますが、
中でも月の引力が果たす役割が大きく、
潮の動きが海中のプランクトンや魚など、
海の生き物たちにも影響を与えます。

この影響は当然、海水の結晶である塩の味わいにも
変化をもたらすことになるわけです。

月が上昇して地球を照らすと、月の引力で海は満ち潮となります。

一方、地球の裏側は月の引力は弱いものの、
地球の自転の遠心力などによって、こちらもまた満ち潮となります。

月の動きは地球の自転より余計に時間がかかるため、
満潮と干潮の時間が日々変化していきます。

加えて、太陽との動きが重なることで、潮の満ち引きの大きさが変わり、
満月や新月のときに「大潮」、半月(上弦の月、下弦の月)のときに
「小潮」が生じることになります。

潮が動けば海中のプランクトンの動きも活発になり、
それを餌にする魚たちも当然活動的になるわけです。
釣りの絶好のタイミングが「大潮」と言われるワケもそこにあります


「満月の塩」「新月の塩」

月の満ち欠けによって海水の状況も大きく異なるため、
どのタイミングで取水するかで、
塩の味わいを左右することになります。

満月の時は上から引っ張る力が最も強くなるため、
中層から表層の海水が大きく混ざります。

逆に新月の時は裏側から引っ張られる力が最も強くなるため、
中層から表層の海水は非常に穏やかで静か。

そのため、満月と新月とではミネラルのバランスや
プランクトンの状況などが異なるというわけです。

沖縄県宮古島市で生産されている
「満月の塩」「新月の塩」に関する分析データでは、

▼満月の塩

赤身の肉や魚などの味の濃い食材に合いやすい。
雑味も強いため、野菜ならベビーリーフなどの若いものか、
クレソンなどの鉄分が多いものがおすすめ。
雑穀類との相性も良いので、コメなら雑穀米と合わせたい。

▼新月の塩

潮の香りが強くなる傾向があるので、魚介類や海藻類と相性が良い。
しょっぱさが軟らかいので、赤身よりは白身向き。
繊細な味なので、調味よりはフィニッシングソルトとして
使用するのがおすすめ。

一口に塩といっても海水塩や岩塩、湖塩などいくつもの種類があります。
いずれも元をたどれば海水からできているわけですから、
原料となる海水の状態も塩の味わいに影響を与える
重要な要素の一つになってくるわけです。


月の満ち欠けによって、
体の約80%が水分とされている私たち人間や、
大自然が大きな影響を受け、
生かされて、生きているということです。


地球の面積の約80%を占めている、
海の中で起きているこんなことからも
地球やそこに暮らす生物が
月と太陽の引力に大きく影響を受けているのを
再認識できるでしょう。

※「にくづき」の文字は、体に関わる文字が多く、
肌・肘・肺・胸・脂・腹などがあります。
昔の人はちゃんと知っていたのですね。