大部分の方のALSの発症過程で、周りの人が下肢、上肢の変化より先に気が付くのが、

球麻痺と言われる呂律の変化から見える体の異常ではないでしょうか?

 

球麻痺が進むと呂律が回らなくなり、聞き取りにくい言葉になる(言葉がうまく言えてない)、から始まり、鼻に抜けるようなふがふがした話し方になります。
 

そのうち、声帯を動かす筋肉が麻痺すると、声が出にくくなり、かすれてくるのです。

嚥下障害は、舌やのどの動きが悪くなったりする状態で、ALSの場合は神経伝達障害による筋肉の異常のために起こってきます。

他の部分(下肢や上肢)は、直接筋肉の状態を目にすることで、状態を確認することはなかなかむずかしいかと思うのですが、舌の場合全部が筋肉なので目で直接状態を見ることができます。

目に見えるという事は、実にリアルで驚きます。
あなたは、自分の舌を鏡に映してみたことがあるでしょうか?

他の方の舌をじっくり見たことがないのでわかりませんが、呂律障害、嚥下障害が進むと舌の縮れがひどくなるという事は聞いています。

いろいろな発見があるので、自分でよく舌を観察してみるといいと思います。

舌のヨレとした曲がりは、どのあたりでどのくらいの状態かとか、硬いのはどのあたりか、自分の指で確かめればわかります。

私の場合、健康体の人にも普通にある舌の真ん中の浅い溝(正中線という)が、舌先まで真っ直ぐでなく舌先から一センチほどの辺りで、途中でよろっと曲がっているのです。

そして、この辺りが動きにくいのです。
そのヨレとした曲がりのせいで、動きが悪く、不自由を感じるのです。
しかもその両側が硬いのです。

治療院では、この部分を実に的確に直接治療します。

私の場合二回の施術で言語障害的な不具合は、他人が聞いても違和感なく喋れている感じまで回復し、嚥下も心配しなくてよい状態にまでなりました。

ただし、食事やその他の環境を変えなければ、また元の状態に戻るのは、必至です。

自分のための健康な食事や生活習慣を知り、改めるだけでなく、人体の仕組みもよく知っておく必要があります。

コロナ禍で、ホスピスから一切外出できなくなり、施術を受けられなくなった時、真っ先に心配したのは下肢と嚥下でした。

「進んでしまったらどうしよう!」

そこで私は下肢は毎朝起き抜けに、ストレッチと全身マッサージ、そして歩行器や杖による歩行を心掛けました。

ここでも幸いしたのは、「邪気が抜ける」という感覚がわかったことです。
治療院で集中して施術を受け、身体で体感しているので自分でやる時も、コツがわかるのです。

もちろん自分では届かないところもあるのですが、そういうところは看護士さんがマッサージをしてくれます。

ここをこういう風にやってほしいと言う事でわかってもらい、
治療院ほどではないにしろ、近い感じで受けることができました。

そして、数ヶ月間が空いても、状態を維持できています。
また、舌についても、体操とマッサージをやり始めました。

舌の体操は、みらいクリニックの今井 一彰先生が提唱されている「あいうべ体操」と自分で考えた舌のマッサージをやり始めました。

あいうべ体操のやりかたは、以下にあります。
(みらいクリニックのHPにあります。https://mirai-iryou.com/)

個人の体験に基づくものです。人によって得られる効果は異なります。

実践については、自己責任でお願いします。

これとは別に、私が自分で考案した方法もあります。

つづく