日経平均は昨日、12000円の大台を割れました。一時1ドル95円台という急速な円高を背景にあっさり割れたという印象。今日はFOMCを控えリバウンドの動きでしたが、終値で12000円台を回復する事が出来ずに、11964円で取引終了。ドル円は97円を挟んだ動き。
昨日の急激な円高の背景はベアー・スターンズが、1株わずか2ドルでの身売りに合意したというニュース。買ったのはJPモルガン・チェース。1株2ドルを時価総額に換算すると2億3600万ドル。1ドル100円で計算するとなんと236億円という破格の値段。昨年4月は1株約160ドル、14日の終値は30.85ドル、という事から見てもかなりのディスカウント。ニューヨークにある本社ビルの価格だけで10億ドル以上の価値があるとの事で、1株2ドルでの身売りはかなりショッキングな数字。それでも、身売りを決断したという事は、まだ表面化していないそれなりの背景があると考えるのが妥当。この買収にFRBが絡んでいる事からも、切迫した背景があると思われる。
ベアー・スターンズの身売りのニュースと前後して、FRBは新たな資金供給策を打ち出している。そして今晩のFOMCでは大幅な利下げが予想されている。しかし、資金供給と利下げだけでは根本的な解決にはならないという事は、これまでこのブログでもなんども書いて来た事。これまでの所、住宅ローンの金利が下がらない事や貸し渋りなどの動きが強まっている事で、実態経済の悪化には歯止めが掛かっていない。また、信用収縮の拡大の歯止めにもなっていない。
日経平均12000円割れは想定内。ここからは、買いに入るタイミングを意識したい所ですが、円高も株安も先が見えない。1ドル100円割れの水準が続けば、輸出関連企業の来期の業績見通しはかなり厳しいものになると思われ、厳しい見通しが出揃うまで上値は追いづらい状況が続く可能性が高い。
日銀総裁は後任が決まらないまま明日で任期切れになる可能性が本当に出てきてしまった。日本の政治には期待できないのが現状。日経平均がどれだけ下がっても、これまで通り「注視する」のが精一杯でしょう。円高ですが、それだけでは、内需株の強気材料にはなりにくいのが現状だと思います。まだまだ、内需の方が厳しい。
中国のチベット関連の動向も注意したい。中国株安が止まらない事も懸念材料。