今週は米で経済指標の発表が多く予定されているので、まずはこれに注目。火曜日の米8月中古住宅販売など住宅関連の指標も多いですが、住宅関連の指標が弱いのはあるていど織り込み済みだと思われます。
FRBは、18日のFOMCで、FF金利の大幅な利下げをした事で大きな方向転換を行いました。住宅市場の悪化とサブプライム問題の影響が今後さらに大きくなる事を見越して手を打ったという事ですが、住宅市場の救済というよりは、住宅市場以外の所で住宅市場の悪化分を相殺しようという政策だと思われます。
利下げ方向に大きく舵を切った事によって、ドルは円以外の通貨に対して全面安の状態で、商品市況が高騰するなどの動きがすでに出ており、米インフレと米ドル暴落が懸念され始めています。円は、米ドルに連れ安していて、日本の内需にも物価上昇の圧力がさらに強まっている。米株は今のところ利下げを好感して上昇していますが、これが下落し始めると、米ドルの下落が加速する可能性があり、18日以前とは状況が違うという事を頭に入れておく必要がある。
また、CDO(債務担保証券)やABCP(資産担保コマーシャルペーパー)などの一部は、今後さらに利下げされても、元には戻らない可能性が高く、いつかは表面化する問題だと思われる。値付かずで埋もれた損失がまだ世界中に埋もれている状態。「三菱UFJFG(8306)、投資有価証券の一部で大幅な評価減が必要になる可能性(ニューヨーク 23日 ロイター)」なんて言うニュースが今頃になって出てきている事からも、サブプラ絡みの日本の金融機関の損失は限定的なんていう見方は、未だに信用できない。
9月末のヘッジファンドの解約のタイミングで、値付かず債権の問題が表面化する可能性があるので、以前から書いてある通り今月いっぱいはとりあえず様子見。値付かず債権を大量に抱えたヘッジファンドが、ちゃんと解約に応じる事が出来るのか注目、出来なければ破綻という所も出てくると思われます。
日本株で上がる可能性があるのは、引き続き新興国絡みの外需株か。メガバンクを筆頭に内需はやばそうです。
9月いっぱいは少なくとも様子見として来ましたが、来週から10月という今になっても、状況が好転しそうな材料はなく、状況はさらに悪くなったと判断してます。目先はNYダウは上昇を続ける可能性があり、また、円は米ドルに連れ安の状態でドル円レートに大きな変化がないという可能性も合わせて考えれば、日経平均が上昇する可能性は、結構ありえる話ではありますが、一夜明けたらNYダウ・米ドル暴落という事がいつあってもおかしくない現状を思えばしばらくは様子見が無難だと思います。