昨晩の米株は、乱高下の末プラスで取引終了。注目されていたFOMC声明発表の後激しく上下に振れた。NYダウは35ドルのプラス。FOMC声明の内容は、サブプライム問題が経済の下ぶれ要因になるリスクを認めながらも、経済全般は緩やかに上昇するという見通しで、インフレが主要懸念であるとの見方を継続しました。サブプライム問題はすでに、サブプライム問題と呼ぶ事に違和感があるくらい拡大しています。S&Pは信用度がサブプライムとプライムの中間に位置する「オルトA」を担保とする証券を格下げ方向で見直す事を明らかにしました。しかし、オルトAを扱う会社に破綻するところがすでに出てきているのが現状。信用収縮と言われているように、格付けの信用も含めて「信用」が揺らいでいるところが、この問題の中心。未だに「サブプライムに対する直接のエクスポージャーはないから大丈夫」なんていう見通しを目にしますが、まったくあてにならない。
話もどって、FOMC声明。サブプライム問題の深刻さを認めるのなら、当然同時に対応策を提示しなければ、金融市場を混乱させるだけであって、簡単には認められない話。単純に金利引下げ期待が膨らんでいますが、ただでさえ弱いドルの底が抜けるような事があれば、それはそれでまた別の大きな問題が出てくる。金利引下げに舵を切る事は簡単な話ではない。
また、問題表面化のきっかけになった住宅市場の低迷は、この先さらに悪化の見通し。住宅価格のさらなる下落は避けられそうにない。個人消費への影響が出始めていますが、これから拡大して行く可能性が高い。
今日の日経平均は、FOMC通過で米株が上昇した事で、高く始まりそうな気配でしたが、寄り付き前の6月機械受注発表が、予想を大幅に下回り、寄り付きの波乱要因になった。波乱はありましたが、すぐに17000円台に乗せその後は揉み合い。107円高い17029円で今日の取引を終えました。日経平均は上昇しましたが、個別に見ると様子がおかしい。
ここまで相場の中心であった、鉄鋼、総合商社、海運、建設機械などが軒並みキツイ下げ。個別に5%超の下落も目立つ。「円安メリットで好決算という好材料はそろそろ終わり、目先の不透明感が市場に大きくのしかかる。」という「今週の見通し」にそった動きですが、日経平均はプラス。何が上げていたのかと言えば、ここまで売られてきた内需株。銀行、小売りなど内需株が広範囲に買われた。内需株に対する買いは現状では、継続性があるとは思えない。
期待以上の好決算も目立つ外需株に、上昇チャートが崩れるほどの下落が目立っているという事は、日経平均が上昇したという事以上に今日の重要なポイントだと思われる。特に円高の動きが加速したという訳でもない中での外需総崩れというのが、なんとも不気味。
自民党が安部総理続投で身内でもめている一方、民主党が国民新党と共同で、郵政民営化凍結法案を今国会中にも参院に提出するそうで、日本の政治が、なんだかめちゃくちゃな感じになって来てます。外国人投資家が逃げて行っても、納得するしかないという不透明ぶり。
個人的には、目先米株がどんな動きをしようと、リスク回避最優先。やるならデイトレ限定というスタンスがしばらく続きそうです。