昨晩の米株は、インテル、ヤフーの決算に対する失望と、サブプライム問題に対する懸念から下落した。注目されていたFRBバーナンキ議長の議会証言で、延滞率の増加や在庫調整のための住宅価格下落などから住宅市場のさらなる悪化と長期化の可能性がある事に言及した事も下げ圧力になった。サブプライム問題は他の市場には波及していないとの従来の見解はトーンダウンし、懸念が高まっていると指摘。懸念を払拭するような発言はなかったようです。
NYダウは一時150ドル近く下げる場面もありましたが、引け前に急に買い戻され53ドル安で取引を終えました。日経平均は、前日にインテルの決算などの悪材料を織り込んでおり、また、レンジの下限あたりまで押してた事もあって押し目買いが入りやすいタイミング。シカゴの先物が高く返って来た事もあって、一日を通してプラス圏での推移。途中ダレル場面もありましたが、鉄鋼が引っ張る感じで持ち直し100円高い18116円で今日の取引を終えています。
最近、持ち直す動きだった新日鉄(5401)が14:00の6月粗鋼生産量発表をきっかけに買いが集まり、出来高を伴い一気に900円を突破しました。今日の終値919円。ここまで何度も900円で跳ね返されているため、1000円の大台乗せに注目が集まりますね。住金(5405)、JFEHD(5411)なども高値を更新していて、業種別値上がり率でも鉄鋼が一位。主役復活という印象から、相場に与える好ムードは大きそう。
鉄鋼以外では海運が強い動き、総合商社は利益確定の売りに押された。物色の範囲はあいかわらず狭いという印象。狭い範囲での循環物色継続で、目先は新日鉄に注目が集まる。
新潟の地震で被害を受けたリケン(6462)からの部品供給がストップする事から、自動車各社が相次いで生産の一時停止に追い込まれている。トヨタ(7203)が300人以上を復旧の為に現地に送り込むなど、必死さが伝わる。3日程度のストックしか部品を確保していないというのは、個人的には結構な驚き。ギリギリまで効率化を推し進めているという事は確認できるが、リスクも浮き彫りになった。リケンの工場の再稼動にはまだメドが立っていない。成り行き次第では自動車関連株に波乱があるかもしれません。今日はトヨタ(7203)が久々の陽線で反発するなど、市場からは影響は限定的と見られているようです。
もう一つ新潟の地震関連。新潟の原発が、当面再開出来ないという事で、代わりの発電燃料という事で石油・石炭株が物色の対象になっています。当面再開できない?原発の真下に断層があるという事が分かっても再開させるのか?唯一の被爆国という事で核兵器反対をアピールする日本が、危険な場所であるという事を確認しながら、原発を再稼動させる?想定以上の揺れから50以上のトラブルがあった原発を補強して再稼動?海外からの視線が痛い。日本には原発が必要だという背景があるからこそ、安全管理は透明でなければならない。国内よりも海外からの視線の方が厳しい。