あんちゃん観劇記録と心の記憶10 | kis-my-diary 北山宏光くん応援ブログ

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ー 父と息子と初めてのキャッチボールー





凌:「だから帰んなって!思い出せよ!俺たちのこと!思い出すまで!ここにいろって!!」



凌がそう言うと、突然22年前の回想シーンに切り替わる。



リビングが父の工事現場に。いきなりシーンに飛ぶので母や姉たちはその場にいたまま。フリーズしたまま。





22年前、8歳の凌は芹沢先生と父のアルバイト先の工事現場に来ていた。

(芹沢先生が父の居場所を突き止め、会いに行こうと言った経緯)


 



凌はずっと俯いている。




先生:「すみません、お仕事中に。」

 


父:「いや、もうすぐお茶休憩ですから」

 


先生:「お父さん、今度凌くん劇で主役をやるんです」

 


父:「ほお、そうですか。」

 


先生:「それで、ぜひお父さんに見に来ていただきたく・・・な、凌。」

 


凌:「べつに・・。」

 


先生:「凌言ってただろ、僕が主役をやったらパパが見に来てくれるかもしれない、そうしたら家族が揃うって。」


 


凌:「そんなこといってない!」

 


先生:「確かに言ってない」


↑ここでやっと劇場に笑いが。息が詰まりそうな時間が続いてたから芹沢先生に救われます(笑)

 


父:「で、いつなんですか。その劇は。」

 



先生:「今度の金曜日です。ご都合いかがですか?」



父:「平日は仕事でして。」




先生:「なんとか都合つきませんか?凌くんもお父さんが来てくれるの楽しみにしていますし。」



父:「無理して雇ってもらっているんで休めないんですよ。」

 

 

凌:「いいよ、こなくて。これないんでしょ…」


 


父:「悪いな、あんちゃん。」

 


あんちゃん、という言葉に凌はやっと父の顔を見る。ちらっと。



凌:「…もうあんちゃんじゃないから。おなかの子は天使になってとんでいっちゃったって、お母さんがいってた」

 




先生:「凌、お父さんキャッチボールでもするか。先生もな、息子とやるんだがこれが楽しいんだ」

 

 

芹沢先生は凌にグローブとボールを渡し、外で待っていると伝える。


帰り際、先生は父にグローブを渡すと、父とエアキャッチボールをしようとするが、父はスルー(笑)

でもめげない先生(笑)

父にナイスボール!と言ってから息子と2人きりにさせる。



父:「俺、あいつなーんか嫌いだな。お前もそう思うだろ。」

 

 

凌:「うん。」

コクリと頷く。そして即答(笑)




父:「よし、投げてみろ。」




ボールをぎこちない持ち方で投げようとする凌。




父:「なんだお前、ボールの握り方も知らないのか。」

 

 


凌:「どうやるの…?」


父に素直に聞く凌。

(この時の表情、めっちゃ子供らしくて、本当に愛おしかった…)



父は凌の元に行き、凌も父の元に歩み寄り…

ボールの握り方を教わる。



父:「こう持つんだ」

凌も真似して持ってみる。



凌が投げると。


父:「そうだ!スジがいいんだな!」

褒める父。

無言でかすかに微笑む凌。



 

凌と父は、キャッチボールを始める。

投げては、会話を繰り返す。



父:「主役ってどんな役なんだ?」


 

凌:「ちくわぶ。」

 


父:「え?」

 


凌:「他の具からいじめられるの。」


 

父:「なんで?」


 

凌:「おいしくないからって。」



父「そうか?俺ちくわぶ大好きだけどな。」


 

凌:「そうなの?」

 


父:「それで、どうなるんだ?」


 

凌:「それを、ちくわが助けてくれるの。」

 


父:「同じちくわだもんな。」


 

凌:「ちくわぶってちくわじゃないんでしょ?」

 


父:「ちくわぶだよ、竹の輪って書くしな、ちくわぶもそんな形してるだろ?」

 


凌:「へぇ。ちくわぶってちくわじゃないかとおもってた。」

 


父:「ちくわぶだよ。それで?」

 


凌:「そのちくわは、失踪したちくわぶのお父さんだってことがわかるの。元気になったちくわぶは、たまごの親分と決闘して最後は世界一美味しいおでんになるって話。」

 



父:「つまんない話だな。」

 



凌:「つまんないよ、たぶん。」

ここも優しく微笑む凌。




父:「主役は立候補したのか?」

 



凌:「やらされてるんだよ。本当はやりたくないんだ。」

 


父:「やりたくなければやらなきゃいいんだよ。」

 


凌:「でも、先生がやれって。」

 



父:「あんなセンコーのいうことなんか聞かなくていい。あとで俺がガツンと言っておいてやるから。」


 

凌:「でもやってなかったら今日パパに会えなかった。」



 父:「どういうことだ?」

 


凌:「先生が主役をやったらパパに会えるって。」

 


父:「とんでもないセンコーだな。」





凌:「…転校したい…」

 



父:「そんなにセンコーのことが嫌いか?」

 



凌:「それもあるけど・・・」


 


父:「いじめられてるのか?」



 

凌:「ちくわぶって凌のことだろってみんなが。父ちゃんいないもんなって。」



 

凌:「…もう学校行きたくない。」


 


父:「行きたくなきゃ行かなくていい。やりたくなきゃやらなきゃいい。凌は何も悪くない。悪いのはあのセンコーと友達だ。そんな学校やめちまえ。」


 

凌:「どうやって?」

 


父:「パパんとこくればいい。そうしたら転校もできるしな。」

 


凌:「…いいの?」

 


父:「何もお前達と別れたくて別れたわけじゃないからな。」


 


凌はキャッチボールをやめてしまう。



そして声を詰まらせて…



凌:「行きたい・・パパのとこ。」


ついに泣きだす凌…

 

 


凌の元へ歩いてくる父。

そして、こう伝える。



父:「ママの了解だけはとってこい。そしたらパパが話すから。」



 

凌:「…わかった」




 

父:「じゃあ、俺あのセンコーシメてくるから。」



 

 




ここで回想が終わり、現在に戻る。





凌:「だから帰んなって!思い出せよ!俺たちのこと!思い出すまで!ここにいろって!!」









(父と話す8歳の凌は、話し方と表情から、父の愛情に飢え、父の愛情を求めている少年にしか見えなかったです…今思い出すだけでも胸が痛い…)