暗転。
(袖を下ろし、通学帽を被り、ランドセルを背負う凌。)
このシーンでは台所が小学校の職員室になります。
台所の窓が夕日色に変化したり、セットの背景が小学校の校舎になったり。
また夕日に照らさせた窓の格子が地面に映し出され、すごく綺麗。
ランドセルの肩紐を両方ともギュッと握りながらとぼとぼと職員室に足を運ぶ凌。
(ランドセルには白のリコーダーとお守り)
黙って職員室に入ろうとする凌。
芹沢先生:「部屋に入るときは?」
凌:「しつれいします」
ちょっとだけ、口を尖らせて。
先生:「はいよくできました。座りなさい。」
ランドセルをぎゅっと抱きかかえながらちょこんと椅子に座る凌。
若干、先生に体を背けるような姿勢で。
拒絶体勢(笑)
先生:「凌、劇の台本は読んだか?」
凌:「うん 。(こっくりと頷く)
先生:「どうだ、面白かっただろう?(ドヤァ)」
凌:「…つまんなかった。」
先生:「凌、正直に言いなさい、これは先生の自信作でな…」
凌:「(食い気味で)つまんなかった!!!」
先生の顔をこの時初めてちゃんと見る(笑)
♪キーンコーン カーンコーン♪
タイミング良くチャイムが鳴る(笑)
芹沢先生、凌をガン見しながら固まる(笑)
凌もガン見してくる先生を何度もチラ見。
あまりに強い眼力に怯える(笑)
ここ、笑いポイント(笑)
先生:「凌。主役をやりたくないからそんなこと言ってるんだろ?」
凌:「そうじゃないけど…やだよ、ちくわぶなんて」
先生:「…」
凌:「おいしくないし、そもそもきらいだし。」
先生:「凌、先生もちくわぶは嫌いだ。味も無いし食感も悪い!そもそもちくわぶの”ぶ”って何だ!?部活の”ぶ”、か!!?」
凌:「お麩の”ふ”だよ…」
先生:「じゃぁなんでちくわ”ふ”じゃないんだ!!」
凌:「知らないけど!!」
先生:「そもそもちくわぶはおでん以外の料理で使われたことがあるか?関西ではおでんにちくわぶを入れることはないんだ。おでんの中でしか生きられないちくわぶだ。それなのにこれだけ嫌われているちくわぶのことを考えてみろ。
それって…
もんのすごーい個性じゃないですか??(ドヤァ)」
凌:「……。(お口ポカン)」
はぁ?みたいな顔で先生を見る(笑)
先生:「凌と一緒だ。ちくわぶは唯一無二の存在だ。」
凌:「もう帰っていい?劇ならやらないよ。」
先生:「お父さんが見にきてくれるって言ったら?」
凌:「どういうこと?」
先生:「実はな、先生の知り合いから聞いたんだが、お父さんが知り合いに仕事を紹介してくれないかと頼んできたそうだ。」
明らかに動揺する凌。
だが、父は家族には知らせないで欲しいと頼んでいると芹沢先生。
数枚のメモを取り出す。
「これが、お父さんの連絡先だ」
ここアドリブ多め。
芹沢先生はメモを沢山持っていて、毎回セリフを変えてきます。これは取りすぎたやつ、とか、間違えたやつ、とか、こんなに取れる?とか(笑)
ここもほっこり笑いのシーン。
メモを手に取ろうとする凌。
だが、そのメモを凌から遠ざける先生…
先生:「先生とお父さんに会いに行くか。」
凌:「でも、あえないんでしょ。」
先生:「お父さんに主役をやっているところを見せてあげたくないか?」
凌:「…あわない!劇もやりたくない!」
職員室を出て行く凌。
ため息をつく芹沢先生。
ここで、冴が入ってきます。
次のシーンは姉達と凌が両親について激論するシーンに切り替わっていきます。
父の居場所を知っている先生。
でも父は家族に居場所を知られたくない。
会いにいきたいけど、不安。
父に対しても、
芹沢先生にも。笑
凌ちゃんの心をかき乱す芹沢先生のキャラにイラッとしながら、(笑)凌ちゃんの複雑な心境がセリフの言い回しや口調、間からひしひし伝わって、胸がぎゅーってなるシーンです。