18の時
バイト先で知り合った男の子が歌ったんです
私を自宅に呼んで

15歳高校1年生の子でした

彼は長渕の大ファンで、アコースティックギターに
ハーモニカまで駆使して
とても上手だった

その純朴な愛情にヤラれて

私達は付き合った


その少し前、私は自動車教習所の教官に片思いをしていて

そのバイト先の店長とも恋をしていて

まったくフラフラな馬鹿な女だったんですけど


年下の彼は、物凄く真摯で
真っ向から「愛」を投げるから

他のことなどに構っている暇もなくなって
いつしか私も夢中になって

少年と少女のような恋をした


今思えば、一番綺麗な恋だった



3年続いた夢のような関係は

やっぱり
夢の覚めた方
つまり私から、別れを切り出した


一緒に馬鹿やって
一緒に笑って
一緒に泣いて、叫んで
一緒に悩んで
一緒に苦しむ


そういうものに
どこか不満を感じてた

どちらかと言うと
最終的には私が導いてたその関係に

私が言えば
彼はその通りにしてくれたけど

そういうことに

頼りなさを感じてた


「別れよう」


そう言ったら

彼は、


怒ってたなぁ


そりゃ、そうだろう

きっと彼は私を怒らせまいとして、色んなことを我慢していたと思うから



今は思う



君と結婚したら多分、とても幸せだったのだろうね
両方の親も、それを望んでた


だけど私

これで良かったと今も思ってるよ



あなたにはきっと
自分の人生を犠牲にしてでも

いや、違うな

自分の人生をあなたに寄り添わせることを
幸せだと思える女性が必要だよ

そういう人の方が、きっとあなたを幸せに出来る


私では、ない


私は自分の人生が大事、なんだ

色んな人が愛して
頼りに思ってくれたこの生き方が

私はとても大切なんだよ



だから

お別れ
なんだけど


もしも
許されるなら


いつか
お酒でも、飲みたいね



あなたの酒の好みなら
今も
覚えてるよ