移動中、晴れ


今回のブログは九条さんが書き綴ったものではありません。


皆様に読んで頂けたらと思った己龍さん所属事務所社長のブログ…、

最初リンクを貼ろうかと思ったのですが、
大事な事だしより多くの方に読んで頂けたらと思い、転載させて頂きました。



以下社長のブログです。




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2011/04/04 02:20
B.P.RECORDS代表の大森です。
ご報告が遅くなりましたが、4月1日よりRoyzが
B.P.RECORDSに正式所属となりました。

今後、己龍とRoyzをよろしくお願いいたします。

そして、己龍単独巡業「夢幻鳳影」について、
今回の東日本大震災の影響でツアーの延期または中止を検討した中、
己龍とRoyzのメンバーと話し合いをした結果ツアー続行を決め
岡山、仙台公演以外を予定通り開催しました。

この決断については賛否両論あるかと思いますし、
どちらの答えが正解と言うのも無いと思います。

当初の話し合いではメンバー全員公演の見合わせを考えていました。
僕自信も続行か中止か半々の気持ちでした。

考えても考えても答えが見つかりませんでしたが、
僕は阪神大震災を経験してるので、
当時の事を思い出しながら考えていました。

うちの家はさほど被害が無かったのですが、
従兄弟が被害のひどかった東灘区に住んでおり、
生後間もない子供もいたので地震当日は母親と従兄弟を迎えに行ったりしてました。

そこで見た光景は映画のワンシーンの様な考えられないような景色で、
まだ家屋に閉じこめられてる人や発見されてない人も多く、なんとも言い難い光景でした。

電気が復旧してからテレビを付けると、どのチャンネルも地震の番組ばかり。
暗い話ばかりで、段々気が滅入って行ったのを覚えています。

そんな時に感じたのが、こんな時だからこそ地震の番組は一局にして、
他はバラエティーとか映画とか気の休める番組を流してくれたら良いのにと思っていました。
その時の思いを思いだして、再度メンバーに確認をしました。

今ライブをやる事を不謹慎だとか世間体を気にして、
バッシングされるのが怖いから自分たちの保身のために出してる答えなのか?って…。

本当に人のためを考えるのであれば、自分たちの今出来る事をすることが大事じゃないのかと…。
そもそも音楽は人に夢や希望や勇気を与えるものじゃないのかと…。
こんな時だからこそ音楽の力は大切じゃないのかって話しをしました。
その中で出した答えなのであればツアー中止も続行も間違った答えでは無いと思うから、
そう言うこと全てを踏まえて決断しようと話し合いをしました。

世の中では節電、ガソリン不足と話題になっている中、
ライブで電気やガソリンを使うのはたしかに間違ってるかもしれない。
でも本当はこれから大変な問題が山積みで家や財産を失った人、
職を失った人、これは1、2ヶ月で解決する問題ではなく、
完全な日常を迎えるには何年もかかる問題です。

阪神大震災の時もそうでしたが、うちの家の近所には仮設住宅がたくさん出来ました。
仮設住宅が無くなるまで何年も掛かっていたのを覚えています。
己龍とRoyzが収益を寄付したところで大きな額にはならないかもしれませんが、
世の中の人が皆で協力すれば大きな物になります。

そして更に大きく見た場合、今は不謹慎だからと
世の中が自粛モードになればなるほど経済に悪影響を及ぼします。

己龍やRoyzが活動した、しないで経済に影響が出るわけでは無いと思いますが、
世の中のアーティスト全員が自粛してライブを延期にすれば仕事が無くなり生活に困る人、
経営悪化で潰れるイベンターや、ライブハウスも出てくると思います。

4月30日に仙台の特別追加公演を開催する事にしましたが、
これは正直な話、時期的には早い気がします。

交通状況や精神的に来たくても、まだ来れない人など現実問題あると思います。

でも通常営業出来るライブハウスに時期が早いからとバンドが来なくなれば、
被災地のライブハウスも経営悪化で潰れてしまうことになります。

そうならない為にも被災地が復興した時、
被災地の人が今まで通りの生活が出来る様になった時の為に、
今ある物を繋ぎ止めるのも残された人の出来る事だと僕は考えています。


そしてライブを行う事によって遠征される方もいると思います。
実はこれは被災地にとって支援に繋がります。

被災地の街中にある被害が無く営業出来るお店は、
観光客や人が寄りつかなくなれば潰れてしまいます。

今まで通りお土産買ったり物を買ったりすれば被災地のお店の人は喜んでくれます。
本当に深刻な問題は、これから浮き彫りになって来ます。

阪神大震災の時に実際にあった話ですが、隣の家は全壊、その隣の家は半壊。
同じ土地に住んでても全壊と半壊とでは支給される額や扱いは全く違うし、
地震の影響で経営悪化して中小企業が倒産しても国は援助してくれません。
目に見える被害に対しては、なんらかの援助はありますが、
目に見えない部分の被害に対しては何もしてもらえないのが現状だと思います。

今回の地震において全国的に目に見えない被害が大きいので、
もう少し時が経てば深刻な問題として更に浮き彫りになって来ると思います。
これを国がどう対処するのかは僕には分かりませんが、
本当に日本の危機だと言うことは目に見えています。

そして阪神大震災の当時と今回の地震とでは時代が違います。
何が違うかと言えば景気です。

当時は今と比べてまだ景気が良かったので体力のある会社は多かったので、
2~3ヶ月業務が止まっても立ち直せる会社は多かったと思いますが、
今は景気が悪いので当時ほど体力のある会社は少ないと思います。
だから被害の無かった地域が今まで通り皆変わらない生活をしないと
色々世の中の歯車が狂ってしまうのは理解出来ると思います。

たしかに被災地の方の気持ちを考えたら今まで通りの生活をする事は気が引けるし、
電気の問題もあるので自粛する事が必要な場合もあります。

でも自粛の先にはもっと大きな問題があり、
今は世の中のそれぞれの人が、
それぞれ自分の出来ることをやる事が復興への近道だとメンバーに話をしました。

大数の意見の逆を行く事は辛く厳しい事ですが、
非難される事が辛いからと言って後ろを向いていても何も始まらないし、
被害にあった方達はもっと辛い状況なんだよ。

そんな話をしてる中で、メンバーからの言葉は、
ツアー中止の考えは世間体を気にしての保身部分が多いのが本音かもしれない。
との意見が出てきました。

ツアーを中止して東京に戻っても自分達には何も出来ないかもしれない。
だから残りのツアーの公演と物販の収益を被災地に寄付出来るのであればツアーを続行したい。
それがメンバーから出た答えでした。

僕自身もメンバーに精神的な部分で支えられたり勇気づけられたりする事が多いのですが、
このメンバーならきっとこの暗い雰囲気を少しでも払拭して、
それをやり抜いてくれるだろうと確信が出来ました。

バッシングを覚悟の上での決断。
そのメンバーの決意に対して僕にNOの言葉はありませんでした。

経営者として考えた場合、仮に公演を全て中止にしたとしても、
恐らく事情が事情なので、ライブハウスクラスの公演であれば、
キャンセル料を全て払って下さいと言う所は無いと思うし、
利益を考えた場合、ライブを延期して収益を残すべきなのかもしれませんが、
メンバーの固い決意に僕自身心を打たれました。

こんな真っ直ぐで不器用なバンドがいても良いと思うし、
むしろそんな答えを出せる様なバンドでいて欲しいと僕自身望んでいた気がします。
色々な人に支えられてバンドは存在するわけで、
その感謝の気持ちをここで形として返さなければ、
己龍としてRoyzとして存在の意味が無くなると思いました。

募金額に関して全ての精算をしてからになるので、
少し時間が掛かりますが、ちゃんとした収益の額を公表の上寄付したいと思います。
皆さんから預かった義援金も金額を公表の上、全額責任をもって寄付いたします。

今回のツアーを通して己龍とRoyzは、とても大きな物を得た気がします。

今までお客さんがいる事が当たり前だと思っていた光景が、
当たり前ではなく本当に心から感謝出来るようになったと思います。

そして夢や勇気や希望を与える側の人間かもしれませんが、
実は自分達が一番そう言った物を皆さんに与えてもらってると言うことを…。




今回のツアーを通して己龍とRoyzは、とても大きな物を得た気がします。

今までお客さんがいる事が当たり前だと思っていた光景が、
当たり前ではなく本当に心から感謝出来るようになったと思います。

そして夢や勇気や希望を与える側の人間かもしれませんが、
実は自分達が一番そう言った物を皆さんに与えてもらってると言うことを…。

今回はライブを楽しみにしていたけど地震の影響でツアーに来れなかった子もいたと思います。
そういった子の事も考えれば延期の選択もあったと思いますが、
ここが終わりではなく、これからも己龍とRoyzは前を向いて走り続けるので、また会える日は必ず来ます。
まだまだ大変な事もありますが、
こんな時こそ笑顔を絶やさず手を取り合って頑張って行かなければならないと思います。

そんな己龍の巡業の千秋楽が4月17日に赤坂ブリッツで行われます。
前日の4月16日には池袋ブラックホールにてRoyzのセカンドワンマンも行われます。
地方は延期となった岡山公演が4月12日あります。

まだメンバーの出した答えに納得出来ない人もいるかもしれませんが、
そんなメンバーの真剣な思い、そしてこのツアーを通して成長した姿を
目に焼き付けて頂ければ必ず何か伝わると思いますし、
この思いは届くと思いますので是非足を運んでみて下さい。

最後になりましたが、
今回の震災で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、
また被害に遭われました皆さま方には心よりお見舞いを申し上げます、
そして被災地の一早い復興をメンバー、スタッフ共にお祈りしています。

長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとう御座いました。



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今回の単独巡業「夢幻鳳影」、

時期が時期なだけに一日一日濃い毎日を過ごしています。


いっぱい悩んだしいっぱい考えました。




あらためて自分達は恵まれていると感じています。



己龍さんに関わってくれている全ての人へ…



ありがとうございます



さよなら!