今後の己龍単独公演につきまして。

演奏中『元の場所に戻る』と云う事を止めようと思います。

節々に逆ダイブやモッシュ現象が起こり、戻るべきタイミングを予め把握しておく必要が有ります。
各々の曲の流れを理解していないと大変難しい事と思います。
会場に居る全員が、常に開演当初へと綺麗に戻り切る事が出来るのか?と云う点からです。


来場者が多ければ多い程、その形式を保つ事は難しくなります。
中間柵の無い広めの会場と成れば成る程、戻る行為そのものが。
大変厳しい状況へと陥ります。


知らない曲も、たとえ耳にした曲で在っても、
全体的な流れを知り得ない曲が有る筈です。
原曲通りでは無く、公演仕様の楽曲も御座います。


何時の間に『割り込み』と云う、この言葉が。
発する者にとって、非常に都合の良い言葉となり、
定義が曖昧且つ暗黙の了解とされている現状にも思えます。


舞台上からも、その光景が克明に映りますが。
最前列から先へと続く何列目かに掛けては、各自に大きなパーソナルスペースが存在して居るんです。
たとえ来場者の多い会場で在っても。

明らかに詰めれば何人も入れる空間ですが、その隙間に入る事を皆しません。
他者から割り込み扱いされてしまいますので。


中ほどから最後尾に掛けては、腕も上がらぬ状態に圧迫される公演場所も御座います。
状況を少しでも緩和出来る様、要所要所で全体的に前へと詰めされる対策も率先して行って参りました。
が、何時からか前に詰めされる事を当たり前に促す強要や苦情を発する者達も出て来ました。


「元の場所に戻れなくなるので~の曲は、この曲順では演らないで欲しいです」


「このノリにすると、元の場所に戻れなくなるので止めて下さい」


そこまでして、この体裁を保つ必要性と云うものに深い疑問を抱いて来ました。
演奏中も公演を楽しむよりも、戻りに必死な光景をよく目の当たりにします。
思い描く本質は決してそんな景色では無いんです。


ライブハウス独自のスタンディングの良さを互いに楽しみたいだけなんだけどね。
見えない盤面上の仕切りで区切られている堅苦しさを常に感じて居ました。


ですが、こうなってしまった件に関して。
僕ら自身に非が御座います。

その風潮に流され、助長してしまう会場マナーを発信した事が大きな要因となってしまったのだろうな、と。
何もかも手探りな当時は、此処まで活動規模の拡がる画が見通せませんでした。


その過ちに気付いた頃には手遅れで。
素直で物分りの良い君達に深く根付いて居ました。
何年か前に行った地方単独公演にて、その風習を廃止しようと提案をした機会も有りましたが。
その時期の僕は、多くの猛反対意見に押され呑まれてしまったんです。


それからは何とかお前達の主張する所と、此方の主張する所とで
折り合いを付けるべく、その道を長らく模索して参りましたが。
上記の出来事などから、僕自身の限界を越えてしまいました。


何が楽しいと思える事なのか、どんな顔をして、どう展開すべきなのか。
全く解らなくなりました。
そんな葛藤に反して「今日は楽しかった」と云う言葉や感想が届きます。


無感情に喜ばれる自分を演じ続けて行けば良いのか。
もしくは、夢を断つべきか。


これまでの大小関わらずの悩みは多々有れど、こう云った形で辞めるか否かを考えた事例は。
活動初期の自主活動期以来です。
メンバー全員の反応次第で行先を決めようと思い、話し合ってみました。


でも、こんな時こそ、頼りになる存在なんだと改めて感じられるものですね。
そう再認識する言葉を掛けては、背中を押してくれたんです。


その決意の元、本日へと至る次第です。

モッシュや逆ダイブにて、流れに流されて行く事。
または空いている場所に、自ら率先して入り込んで行く事。


これらは『割り込み行為』では御座いません。
決して悪い事では無いんです。


ただし、歌モノや比較的緩やかな演奏曲に対しての強行突破。
こちらこそが、迷惑行為へと該当致します。

正に君達の言う『割り込み行為』そのものではないでしょうか。
人としてのモラルは確りと守った上、御参戦下さい。


単純に暴れたい者は遠慮せず前方へ。
例えどの場所にズレようが、その状況でさえも楽しめる者は是非御越し下さい。


様子見や観覧希望など、巻き込まれたくない者は後方へ。
中途半端な場所での棒立ちは、動く者とそうでない者とで巻き込み事故を誘発します。
両者にとっても非常に危険です。


ヒールに厚底靴やブーツは勿論ですが。
サンダルやクロックスの転がり落ちた会場もよく見掛けては耳にします。
転倒、雪崩事故及び演奏中止を防ぐ為、安全で脱げにくい靴を履いて御来場下さい。


ですが、イベント出演時につきましては。
その場のルールに沿った形で御楽しみ下さい。
あくまでも己龍主催の単独公演においての話ですので。


皆様には十分な理解と配慮を、重ねて御願い申し上げます。