出羽三山との出会い

 いよいよ出羽三山。まず羽黒山山頂の三神合祭殿を、目指します。

 

 随神門をくぐると、今までの空気と違う、森閑とした澄んだ空気に包まれました。高い杉の木に、陽の光が遮られたひんやりとした世界です。長い石段を下ります。五重の塔、老木の爺杉、、、そして須賀の滝をめぐって、羽黒山山頂への、長い登りの石段となります。

 

 山梨県の身延山や七面山によく行っていた、父方のお婆さんから、『霊山を登る時、[六根清浄]と言いながら登るんだよ。』と聞かされていました。 それを思い出して山頂までの2446段を、『六根清浄、六根清浄、、、と、』心で唱えながら、登りました。

 

 山頂へ、もう少しという目前で、『カクバン、カクバン、カクバン。』と呟いている自分に、気がつきました。その時は、"カクバン? えっ、なに?"と思っただけで、気に留めませんでした。

 

 山頂の三神合祭殿を、見上げた時、夢で見た黄金色に光る建物はこの事だったのか、と、納得しました。 黄金色の三扉が、そこにありました。

 

 出羽三山に来る前に夢で見た、橋の上で、自分の眼をくり抜き、川へ投げ捨てる人は、鉄門海上人(湯殿山注蓮寺)の事でした。江戸時代流行った、眼病退散を願う行動でした。

 

 羽黒山から、湯殿山そして月山をめぐりました。

東京に帰り、『カクバン、、。』を、思い出して、調べたところ、(興教大師) 覚鑁という僧がいました。 真言宗中興の祖。この年、覚鑁上人800年遠忌でした。

 

 同時に、出羽三山開山1400年を迎えた年でもありました。

 

 偶然にも、このようなめぐり合わせの年に、出羽三山に行くことになったのです。


 ハッキリと声を聞き、訪ねた羽黒山、出羽三山。

縁を感じてしまいます。