桐野 夏生
顔に降りかかる雨

桐野夏生の江戸川乱歩賞受賞作。
女探偵村野ミロシリーズの第一作目。
夫を自殺によって亡くし、広告代理店も辞めてふらふらしていた32歳の女性村野ミロ。ある日親友のライター宇佐川耀子が暴力団がらみの1億もの大金とともに姿を消した。ミロは耀子の恋人で暴力団関係者の成瀬とともに耀子と金の行方をさがす羽目になる。

村野ミロシリーズは、このあと「天使に見捨てられた夜」「ローズガーデン(短編集)」「ダーク」と続きます。実は、「ローズガーデン」と「ダーク」の方を先に読んでしまったので、今回の本の犯人はほぼ最初からわかってしまっていたのですが、「ダーク」の中で何故彼女があのような行動をするに至ったのか、ということに興味があって読み進めました。しかし「ダーク」で描かれたような激しい感情の動きにはどうもつながらないような・・・

また、「グロテスク」や「OUT」「ダーク」なんかのほかの桐野作品にみられるような、毒というかどぎつい部分もまだこの作品では薄いように思いました。

とはいえ、ついつい先を読んでしまいたくなるテンポの良さとスピード感、新宿を舞台にしたどこか耽美的な雰囲気は良かったです。