松本 清張
黒革の手帖 (上巻)
米倉涼子主演のドラマ「黒革の手帖」が面白かったので、原作本も買ってあったのですが、ずっと放置してました。このたびやっと読んでみたわけですが、松本清張はやっぱり読みやすかったです。
ストーリーは冴えない女性銀行員の原口元子が、銀行の架空名義口座リストを手に入れたことから銀行の預金を横領し、そのお金をもとに、銀座のクラブのママとしてのし上がってゆくという話です。
昭和54年くらいの本みたいですが、言葉遣いや舞台設定など昭和の香りを感じさせるところは、味があってよいし、骨太なストーリーは、逆に古さを感じさせない面白さがあります。
議員秘書の安島と元子の関係とか、元子のキャラクターとか、ドラマでは華やかに描かれていますが、小説ではちょっと違うのですね。ドラマの安島はカッコイイ役なんですけど、小説ではもっとたちの悪い男というか。元子も小説ではママでありながらも、男に慣れない地味な女として描かれています。でもそんな元子が男たちを追い詰めていくのもなかなか面白かったです。
元子と、敵対するホステスの波子の対決シーンは、ドラマでも熱かったのですが、小説でもなかなか良かったです。
結末もドラマとは違いましたが、なんともいえないやるせないというか怖い結末でした。
次は「けものみち」を読みたい。