いまはむかし、かつて猿岩石やドロンズ、チューヤン&伊藤高史といった芸人がヒッチハイクで大陸横断し日本中を惹きつけた「電波少年」なる番組をご存知でしょうか?(初老の域に達した方たちですねん)  

 

 

 

 #世界を踊るトゥシューズ―私とバレエ

 #針山愛美 著

 #倉澤治雄 文責

 

以下、Amazonの概要より転載

クラリネット奏者の父、ピアニストの母という音楽一家に生まれた針山愛美(えみ)。子どもの頃からバレエを習い始めたが、そのセンスからメキメキ頭角を現した。 13歳でロシアの名門、ワガノワ・バレエ学校に短期留学、ロシアの伝統と絢爛豪華な劇場に衝撃を受けた。16歳でボリショイ・バレエ学校に単身で留学、旧ソ連の崩壊を目の当たりにしながら、練習に励んだ。転機となったのは19歳のとき、ヨーロッパに飛び出したこと。フランス・パリの国際コンクールで銀賞を射止めた。 愛美の才能を開花させたのは世界的なダンサーであるウラジミール・マラーホフとの出会い。愛美はマラーホフからロシア・バレエの神髄を学んだ。 その後ドイツのベルリンをベースに、ヨーロッパやアメリカのメジャーなバレエ団で、美しい姿を披露すると同時に、コンクールの審査員として、またバレエの教師として、後進の指導にあたっている。 旧ソ連崩壊という激動の時代をたった一人でくぐり抜け、名作『白鳥の湖』などを踊り続ける針山の半生を、美しい写真で振り返るとともに、日本のバレエに対する夢を語る。

以上、転載終

 

 下世話な私の下賎な連想で「電波少年」なるお笑い番組に繋いでしまうのはお里が知れますが、掲題の本を読了した後に著者が経験したソ連崩壊時のマクドナルドのために並んだら命の危険、お湯の出ないシャワー、宿泊費節約のためにバーで一晩過ごすなどこちら側の平和ボケを思い知らされます。

 

彼女の歩んできた道が小説より奇なりでバレエに興味のない人でも楽しめる本でしょう。

 

政治、社会などに翻弄されながらもレジリエンスを貫いた著者には尊敬とか畏怖等の言葉では尽くせません。

 

バレエ的な視座で読むと彼女が踊るときにカウントではなく音でタイミングを合わせることに常に音楽と共に生き身体の一部となっていることに感動を覚えました。DNA的な絶対音感と幼少のみぎりから相当なピアノの練習もされていた賜物でしょうか。

 

そしてマラーホフや島崎徹など世界的な舞踊家と共に追求し続ける姿にも頭が下がります。

 

 今も現役で踊りコロナ禍の中でマラーホフを招聘したり、ウクライナバレエダンサーのために奔走されたり、コンクールの審査員を務めたりバレエ界でなくてはならない存在です。

 

 また何よりもご縁を感じたのが同書の文責が医療ジャーナリストの倉澤治雄氏だということ!!

 

 

 

 個人的に氏の某雑誌でのご寄稿、ご著作は大好きでしたが全く畑違いで出会う(おこがましくて失礼っ)とは思いもしませんでした。

 

 彼女の音楽とバレエとの融合性が倉澤治雄氏の解説により一部判明しております。

 

ウィーンフィルと並ぶ世界的オーケストラ、ベルリンフィルの本拠地には、密に吸い寄せられるように世界中から若い音楽家、画家、ダンサー、写真家、あらゆるジャンル家が蝟集(いしゅう)する。針山が会場に足を運んだオペラ、バレエ、コンサート、リサイタルの数はおびたたしい。ベルリンフィルの指揮者だけでもクラウディオ・アバド、小澤征爾、ダニエル・バレン・ボイム、サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコなど現代最高の指揮者による演奏をまるで美酒を飲み干すように吸収し尽くした。

 

 私が手にしたのは2刷!!泥舟活字業界でマーケットの狭い本がここまで支持されていることにも感謝っ!!

 

 良書にお幸せさまでした。

 

追記:この本を読むとどんな作品だろう?とググりたくなります。一部シェア。

 

 

 

また同書で大きな存在となるマラーホフ。何度か上野で感動した思いでを・・・と思いブログ内検索したらマラーホフだけで3頁も!!ここらへんにしときましょう。笑。

 

 

 

 

 

 

尊いもの

 

Ameba写真部