昨日、じいちゃんが退院してから

ひと月ほど奇行に悩まされたと書いた。




この4時間風呂事件に始まり、

他にも細々とした事件を何度か目撃した。



例えば…名付けてどん兵衛事件。



ある日の14時頃だったと思う。

私はじいちゃんの家を訪ねた。

インターホンに応答したじいちゃんは、

「おぉ。今お昼ごはん食べようと

してたとこだ」

と言った。


家に入ると、確かにテーブルに

お湯が注がれたどん兵衛が乗っていた。

………乗って…いる…けど。

なんじゃこりゃ!?

中身がもはやどん兵衛じゃない!

麺と呼べる長いものは見当たらず、

そこにはふやけてちぎれちぎれになった

「元うどん」があった。

なんというか、離乳食レベルでドロドロ!


元々じいちゃんには

麺類を食べるとき、

箸で麺を1回2回と高く持ち上げてから

口に運ぶという癖があった。

スープに絡めるような、

麺をほぐすようなそんな動作だった。


その持ち上げては下げ、を今まさに

ぶっよぶよの、ふっやふやになって

もう麺じゃない物体に繰り返している。

食べないの?

と聞いても、

いま食べるところだよ

と言うだけで、全然食べる気配がない。

まぁ実際にもう食べられるような状態では

ないんだけど。

箸でつまめるかどうかやっとくらいの

粒になった「元うどん」を

持ち上げては下げ、持ち上げては下げと

繰り返している。

恐怖ガーン


ハッとした。

これ…きっと2時間やってるな!!


今でこそ食事の時間が

乱れがちなじいちゃんだが、

当時はお昼はだいたい12時くらいとか、

わりとちゃんとしていた。


お昼の12時前後にお湯を注いだとして、

その時でだいたい14時を過ぎていたから

約2時間繰り返していたのだと予想された。



お風呂の時もそうだったが、

こういう時にやめさせようとすると

ちょっとキレ気味になる。

今やるから!とか、そんな感じで。

どん兵衛の時もたしか

「いま食べるとこなんだからさ!」と

軽くキレられた記憶がある。



その時、どんな風に乗り切ったか

具体的には忘れてしまったが、

確かたくさん話しかけて気をそらし、

ちょっとした隙にどん兵衛を撤去して

他の食べ物を差し出したんだったかなぁ。



こういう繰り返し繰り返し…止まらなーい!

みたいな行動をすることに

名前や病名はあるのだろうか。



一緒に外出した先でも

繰り返して止まらなくなり、

やめさせようとしてキレられて

困ったことがあった。


次はその時のATM事件を書こうと思う。