過去のことを振り返って

ブログを書いているうちに、

介護をスタートしたときのことを

色々と思い出した。

うちの場合、認知症が

徐々に進行したというより

「よーい、ドン!!」

で一気にスタートするようなきっかけがあった。

それは入院生活だった。




じいちゃんは入院したことがある。

肺炎だった。もう4年くらい前になるかなぁ。

入院期間は1ヶ月くらいだったと思う。


かなりマメにお見舞いには行っていたが、

入院中に異変は感じていなかった。

最初に「え?」と思ったのは、

退院の日に退院準備をしていたときのこと。

じいちゃんは着替えをしていたのだが、

その時もやけにボーッとしているな

という印象は受けていた。

準備は終わり、あとは説明を受けるために

看護師さんが来るのを待っていたときのこと。

なぜ待っているのか、ということを

何度も聞いてくる。

せっかちなだけ?さっきも言ったのにな…



そして極めつけはこれだった。

看護師さんを待っている間に、

退院の日だと知らずにじいちゃんのお友だちが

お見舞いに来てくれた。

少しお話してお帰りになったのだが、

一瞬にしてその方が来られたことを忘れたのだ。


更に病院を出てからその足で

お昼ごはんを食べに寄ったファミレスでのこと。

メニューを見ているのだが、

なんだかボーッとしていて

めくっているだけで読めていないというか。

結局、店員さんに「こういうのない?」

と話しかけて注文をしていた。

…それだというのに。

数分後に私に「注文したのか?」と聞いてきた。

え?え?えー!?

自分で話しまでして注文してたじゃん!?



これが始まりだった。

入院前も多少の物忘れはあったけど、

ここまで短い時間に

あった出来事まるごとスコンと

抜け落ちてしまうことはなかった。


でも、この時は退院してすぐだし

家に帰っていつもの生活に戻れば

落ち着いてくるかな?と期待していた。

不安でいっぱいではあったけれど。



けれども、その期待は早くも翌日から

ぼろっぼろの粉っ粉になるほど

打ち砕かれることになる。

物忘れどころの話ではない。

もはや奇行を取るようになったのだ。