映画の仕事『スズさん』vol.1 プロデューサー・村山英世  | 記録映画保存センターブログ

映画の仕事『スズさん』vol.1 プロデューサー・村山英世 

「プロデューサーの仕事」  村山英世                             
 
映画のプロデューサーの仕事は、企画を立てることから始まります。この企画は、2019年12月に東京大学吉見俊哉教授が学会で、昭和のくらし博物館館長・小泉和子さんから「家庭の家事」を撮影した30年前のフィルムを保存できないかと相談を受けたことがきっかけでスタートしました。その後、吉見先生から記録映画保存センターへ相談があり、12月末、小泉家の押し入れにあった16ミリフィルム10時間分の寄贈を受けることとなりました。
 


 

元NHKのディレクターだった大墻敦さんにこの話をしたところ、小泉家のファミリーヒストリーと織り交ぜて構成すれば面白い作品ができるのではないかと話が進み、この企画に賛同した資料映像バンクの山内隆治さんと3人で劇場公開できるドキュメンタリー映画を製作することが決まりました。そのため、今回の映画のプロデューサーは3人です。これまでの経験を生かして脚本・監督・撮影を大墻さんが、制作費の管理等製作事務面を私が、資料映像探しを山内さんが担当することとなりました。
 


 

撮影はコロナ禍の2020年7月から開始し、フィルム寄贈受けてから1年後の2021年3月には録音作業も終わりました。映画完成後のプロデューサーの仕事は、上映展開です。4月にはまず映画関係者ための試写会を開催しました。そこで横浜シネマリンの八幡代表からお声がけをいただき、最初の劇場公開が決まりました。ちなみに、映画の中に出てくる横浜大空襲のあった時期に合わせての公開となりました。公開決定後は、一人でも多くの方々に足を運んでいただけるよう、神奈川を中心とした新聞社やテレビ局等のメディアへ向けた広報、宣伝活動を展開しました。
 


 

今回、3人のプロデューサーがそれぞれのキャリアを生かすことができたかと思います。しかし、映画は作っただけでは終わりません。多くの人に見ていただき、最終的に製作費を回収するまでがプロデューサーの仕事となります。

  

<横浜シネマリン・アクセス>
5月22日(土)〜6月4日(金) 毎日午前10:00〜の1回上映となります。

 

 

<ドキュメンタリー映画「スズさん〜昭和の家事と家族の物語〜」>