本日の御書です。

「仏云く「袈裟はこれ三世の諸仏・解脱の法衣なり、このあたひをば我ほうじがたし」と辞退しましまししかば此の比丘申すは「この袈裟あたひをば、いかんがせん」と申しけれ」(P968富木殿御返事)


比丘が袈裟を売ってご供養しようとしたことに対し、仏は、「袈裟は、解脱のための大切な法衣であり、このご供養に報いることができません」とご供養を辞退しました。それに対して比丘は、「しかし、この袈裟を売って得たお金をどうすれば宜しいでしょうか?」と問いかけます。
果たして、仏はどのように答えられるでしょうか?


「仏の云く「汝悲母有りや不や」答えて云く「有り」仏云く「此の袈裟をば汝母に供養すべし」」(P968富木殿御返事)


仏は、言いました。「あなたにお母様はいらっしゃいますか?」
比丘は答えます。「はい。おります。」
それに対して仏は次のように仰せになります。
「ならば、この袈裟は、あなたのお母様に供養しなさい」と。
袈裟を売って得た尊いお金を誰に供養すべきかという話しが続きますが、仏ではなく、母に供養しなさいという仏の言葉に比丘は、大変驚いたようです。