2年ぐらい前だったか、ある研修を受けるのに、行った事のない街に行くことになりました。
数回通った後、
「こっちの道を行ってみようか。」と選んだ道に入っていくと子猫がいました。
白い可愛い猫。
でも近づいてみて、思わずハッとしました。
片方の目がなかったのです。
チッチャナチッチャナ子猫。
カラスにやられたのでしょうか。
その猫と同じ模様の、だけれどちょっとだけ大きい猫が茂みから出てきて、その片目の猫を見守るかのように、そして導くかのように誘って、二匹の猫は、再び茂みの中に消えていきました。
きっと同じ時に生まれた兄弟なのだと思いました。
飼い主の居ない猫の世界では、弱者は消え去るのみなのでしょうか。
ちょっと大きい方の子猫が、茂みに入る前振り返って私を見ました。
一瞬だけれど、じっと見ました。
私は黙ったまま首を振り、それを見て猫は消えて行ったのです。
子猫には、私の「何も持っていない。」と言う言葉がちゃんと伝わったのです。
きっとがっかりしたことでしょう。
この次来るときは、きっと何かを持ってこようと思いました。
でも次に来た時には、その猫たちは見かけなくなってしまいました。
そしてその後、私も事情があってそこを訪れる事はなくなってしまったのでした。
だけど再び、その街に行くことが再開しました。
この街は猫が多いのです。
地域猫の餌やりには、いろいろな意見があると思います。
でも私は、あの時見た片目の小さな猫の事が忘れられません。
私には保護などをしてあげる力はありません。また出来ません。
ごく稀にしか訪れないその街ですが、今日一日の平和が、その猫たちに訪れる事を願うばかりです。
昨日、その街に行った時に、万が一出会った時の事を考えてジプロックにカリカリを入れて持っていきました。
裏の道を歩いていると、猫が寄ってきました。
コソッとあげようとしましたら、既に駐輪場の片隅に餌が置いてありました。
ここの猫たちは、地域猫になっているのですね。
私もそっとその餌に足しておきました。振りむくと猫たちがゾロリ。
人に慣れているのですね。
この先この猫たちが保護された場合も、この慣れていると言うのは大切なポイントのようですね。
暗いのでピンボケ写真ばっかりです。