~前回のあらすじ~
カナヤのアイテムストレージからスマホを取り出したキックホッパーは、仲間の一人であるセイバーに連絡を入れる。彼はセイバーに、松浦果南と一緒に来いとの命令を出すが、彼女は私一人で行くと拒む。だが命令を無視すれば、仲間の命の保証はないとハッキリ答える。何とか説得を試みようとしたその時、果南本人が現れ、自分も行くと意志を固めたのであった。





Pホッパー「そろそろ来る頃だな、兄貴」

Kホッパー「あぁ…」




ザッ…

セイバー「…待たせたな。命令通り、私と…」



セイバー「果南で来たぞ」

果南「私と勝負したいのカナ~ン?」



Pホッパー「兄貴の言った通り、セイバーと果南で来たんだな」

Kホッパー「じゃあ、第2ラウンドといこうか…」

セイバー「言っておくが、手加減はしないぞ」

果南「本気でいくよ」



セイバー(カナヤ、少しの間だけ待っててくれ。すぐに終わらせてやるから…)




ジャキ…



Kホッパー「やれ、影山ァ!」

Pホッパー(コクリ…)




カシャ

《クロックアップ!》






Pホッパー「いくら最強とはいえ、俺のクロックアップにはついてこられないだろ…!」

セイバー「フッ…」



セイバー「遅いッ!!」

ガァァァンッ!!!!!

Pホッパー「何ィッ…!?」



セイバー「…何がクロックアップだ。お前はそれで速くなったつもりか?私には、人が歩いてるくらいのスピードにしか見えなかったぞ。悪いが…」



セイバー「そこで大人しく寝ていろ!!」

バギィィッ!!




ドゴォォッ!!



果南(セイバーさん、めっちゃ強いじゃん…。これ、私いらないんじゃ…)





セイバー「さて、ブラウンの奴はあっけなかったが、グリーンのお前はもう少し骨のある奴だと見てとれる。間違いないか?」

Kホッパー「まぁ、そうだな…。期待通りかは分からないが、給料分の働きはするぜ…」



Kホッパー「最強と言われてる力、俺に見せてくれよ…」



セイバー「よかろう…。ご所望とあらば、存分に見せてやる。ただし…」



セイバー「その身がボロボロになろうとも、後悔だけはするなよ!」

ダンッ…!!



Kホッパー「後悔なァ…。地獄へ堕ちた時点で、そういう感情はとうに捨てている。今の俺にあるのは、ただの復しゅ…」




ズバァァァーンッ!!!!!

Kホッパー「チッ…!!」



セイバー「言っておくが、長いお喋りに付き合ってる暇はない…」




ズザザザ…



Kホッパー(セイバーの一撃で、右腕は使い物にならなくなっちまったか…。ふっ、安いもんか、このくらい…)



Kホッパー「今の一振り、よかったぜ。やはり、お前を選んで正解だった。そろそろ俺も本気を出すとするか…」

セイバー「最初から本気を出せ。貴様、ナメてるのか?」

Kホッパー「ナメてなんかないさ。力ってのは、いざという時のために温存しとくもんだろ?まずは相手の力量を確かめるのが、勝負の基本だ。お前なら分かると思うんだがな…」

セイバー「見た感じと話し方に反して、堅実なんだな。まぁその方がかえってありがたい。私は馬鹿が嫌いだ」



Kホッパー「これは面白い…。カナヤは『馬鹿は嫌いじゃない』と言い、セイバーは『馬鹿が嫌い』と言う。ある意味、似た者同士ってわけ…」




シャキィーン…

セイバー「…さっき言ったはずだ」



セイバー「長いお喋りに付き合ってる暇はないと。今度は、その左腕や両足を不良品にしてやろうか?」

Kホッパー(おっかねぇなぁ…)





果南(やっぱり私、必要ないんじゃ…)




ピッ…ピッ…



#8「最強と最悪」へ続く。