ロダンの弟子にして、モデル、愛人でもあったカミーユの若かりし頃は、フランス人らしく小顔で可憐な美少女でした。しかしやがてロダンに捨てられ、精神に破綻を来し、自らの作品の大半を破壊した挙げ句、精神病院で暗い晩年を過ごします。ロダンは周知のように突出した天才でしたが、支配欲が強く、あのリルケさえ彼の元では詩作がままならないと嘆いて、その否を訴えました。

運命とは奇妙なもの。磁石のように引き付け合い、お互いに影響され、やがて離れて行く。画像はカミーユをモデルにしたロダン作の『フランス』。フランス共和国の象徴であるフリギア帽をかぶっています。