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日光を離れて、長野に来ました。

長野駅のデザインは結構おしゃれで好きです

 

 

この日は駅近くのドーミーイン長野に泊まりました。

 

ドーミーイン系列の特徴は大浴場がかならずあることです。銭湯大好きの私はよくお世話になっております。

 

 

翌朝、善光寺へと参ります。

 

善光寺は無宗派でありながらも長野の信仰の中心と言えるほど広く親しまれており、その歴史は1400年も遡れます。

 

善光寺の縁起については面白い逸話があります。少々長くなりますが私はこの話が大好きですからお話しさせていただきます。

 

善光寺の御本尊様である一光三尊阿弥陀如来様はもともとインドと百済で多くの民を救い、教化してきた仏様ですが、ある日自ら次なる教化の地を日本とお決めになって、船で日本へと渡ってきました。

 

時は西暦552年、聖徳太子、蘇我稲目、物部尾輿が仏教伝来に巡って論争を起こしている頃です。

 

賛成派の蘇我稲目は一光三尊阿弥陀如来様を我が家において崇めていましたが、ちょうどその時に熱病が流行りだしました。反対派の物部尾輿はこれを口実に如来様を難波の堀江へと投げ込みました。

 

その後、蘇我家はライバルの物部家を攻め滅ぼし、聖徳太子と一緒に仏法を日本に広めました。

 

聖徳太子は堀江に臨まれ、如来様を連れ戻そうとしていますが、如来様は姿を現し、今はまだその時ではないと言い、また水底に戻りました。

 

やがて信濃の本田善光という男は堀江に通り掛かったところ、仏様のお声を聞こえました。日本の民をより多くお救いしたいから、自分を連れ戻してほしいと。本田善光は仏様を背負って我が家に連れ戻し崇めました。これが善光寺の始まりです。

 

勿論これはただの逸話で、真実ではかぎりません。

 

しかしもし真実であれば、善光寺の一光三尊阿弥陀如来様は日本最古の仏像ということになります。

 

また、この話は実際に広く伝われてることも、善光寺の影響力の高さが伺えます。

 

さて前置きはここまでにして、いざ参らん。

 

善光寺は長野駅からやく2キロ離れてます。バスもあります。

 

しかし善光寺参道はとても風情があって、自分の足で歩く行くのもきっと別の楽しみがあります。

 

 

まだ参道ではないのですが、このような街灯が並んでいます。

 

 

参道の石畳はとても綺麗で、両側の建物もあわさって静かな雰囲気を醸し出します。

 

ちなみにこの石畳は江戸時代の大商人が寄進するもので、七千枚も使われているらしいです。

 

 

 

こちらは仁王門です。

上に書かれている「定額山」は善光寺の山号です。

 

 

仁王門から少し進んだところに六体のお地蔵様があります。それぞれ六道の衆生を救い出すための存在です。

 

ここで注目すべきのは一番右のお地蔵様です。よく見れば片足が蓮座から踏み出しています。

 

これは地獄界を担当しているお地蔵様が一刻も早く衆生をお救いしたいから急いでる様子を表しているようです。

 

 

こちらは山門です。とても立派な作りです。

 

なんと上に登れます。中は撮影できませんが、文殊菩薩騎獅像と四天王像があります。

 

 

山門の上から屋根を撮りました。

 

木造建築の屋根を見るとワクワクしますね。

 

 

こちらは本堂になります。境内が広大なためあまり大きく見えませんが、実は本堂もこの手前の金炉もとても大きくて立派です。

 

本堂の中には御本尊様が安置されている厨子がありますが、善光寺の御本尊様は絶対秘仏で拝観することはできません。

 

七年に一度、御本尊様のかわりに複製の「前立本尊」が御開帳されます。しかし次回の御開帳は2029年になりますから、あと4年ですね。

 

その代わりと言いますが、「お戒壇巡り」というのができます。

 

これは御本尊様がおわす瑠璃壇の下をくぐり、御本尊様の真下にある「極楽の錠前」を触れることで仏さまと深くご縁を結ぶということです。

 

私もやりましたが、これが想像以上に真っ暗で、本当に何も見えませんでした。しかも回廊が意外と長くて、この暗闇の中で壁を触れながらゆっくりと2~3分ほど進んでようやく地上に戻れたのです。

 

なかなか神秘的な体験ですから、皆様もぜひ一度お試しください。

 

本堂を参拝した後は境内を散策。

 

 

こちらは鐘楼と経蔵です。

経蔵の中には一切経が納められる輪蔵があり、これを一周回せば一切経をすべて読んだと同じ功徳が得られると言われますが、残念ながら入れませんでした。

 

 

 

こちらは御開帳回向柱です。

 

前にも言いましたが善光寺の前立本尊は七年に一度御開帳されます。その際、より多くの人が参拝できるように前立本尊の指と本堂外の回向柱を紐で繋いで、回向柱を触れば前立本尊とご縁を結ぶことができるということです。

 

そして御開帳が終われば回向柱はここに移されます。

 

よく見れば奥の方の回向柱が短いと分かるのでしょう? 歴代の回向柱はこうやって長い年月を経てゆっくりと地に還るのです。

 

 

こちらは忠霊殿、つまり戊辰戦争から第二次世界大戦の英霊の霊廟です。

 

いわば靖国神社の仏式ですが、日本唯一仏式の英霊の霊廟でもあるようです。

 

一階は善光寺の史料館になっています。中にはダライ・ラマが来日の際に贈呈されたものと、善光寺が南太平洋慰霊団を行う記録などがあります。

 

善光寺がいかに広く信仰されて、多くの人々に救いと精神的な安寧を与えてきたと分かりますね。

 

 

ゆっくり境内を回った後御朱印もいただきました。

 

善光寺の御朱印帳は西陣織りにで触り心地がとても良くておすすめです。



こちらは書き置きの特殊御朱印です。五枚の背景は繋がっています。

 

帰り道にBENI-BENIというお店の林檎パイを食べました。

 

とても美味しくて許可をもらって写真を撮りました。

 

 

この色からもう美味しさが伝わってきますね~。

 

さて善光寺を満喫できました。期待以上の大満足です。

 

こういう長らく信仰を集めてきました場所は歴史だけじゃなくて、この地に生きる人々の敬虔な姿も見られてとても好きです。

 

次はもう一つ歴史ある神社である戸隠神社に参ります。

 

では。