300鞍目〜手は馬の物

2018年1月28日(日)

16:00 D先生 エストレーア

えっちゃん、さっきはありがとうございますえっちゃんのおかげで、55.294%貰えたよ

記録会の後は普通にレッスン出来ると聞いて、当日急遽レッスンを申し込みました。D先生の最後のレッスンが空いていたので、お願いしました。D先生だけ全部埋まっていて、さすが神先生、記録会で大忙しだったのに、まだまだ生徒が放してくれません。放さないのは、私もですけど

レッスン前に、A先生から頂いたジャッジシートをD先生にお見せますが、チラ見して

「音声はダメ」

の注意事項を指差して笑っただけで、返してくださいます。ジャッジシートは見なくても、私の出来ている事、出来ていない事はすっかりお見通しという事でしょう。

ちなみに「音声禁止」は知ってはいましたが、２回目の輪乗り駈歩発進の時に、つい

「はいっっ」

って、声が出ちゃいました。後半はずっと小さい声で

えっちゃん、頑張れ

えっちゃん、頑張れ

って言ってたし頑張らなくちゃいけないのは、エストではなくて、私の方ですよね

さて、レッスンです。A2経路の事もカドリールの事も何も言われずに、普通に始まりました。常歩から駈歩までしたところで、D先生が馬場の真ん中で、

「こうしてみて。こう、こう」

ジェスチャーで示してくださいます。馬の動きに合わせた、上体の動きです。動いている馬上から先生の動きをしっかり見ながら真似するのが苦手で、こうしたD先生が示してくださる体の動きを今までは「よく分からないです」とあまり真剣に真似してきていませんでした。失礼な生徒ですね。それでも諦めずにジェスチャーで示してくれ続けるD先生の優しいことこの日は私自身に心の余裕があったのか、「やってみよう」と思い、

「こうですかこう」

真似してみます。

「ちょっと違う。こうだよ、こう、こう」

「こうこう」

「んっとね、馬の動きに合わせて馬の頭から上体が離れた時に肘を伸ばして、馬の頭が近づいた時に腕を畳むと、手綱が落ち着くでしょう、それをやって欲しいんです。手綱で煽ったりするのではなく、ただ肘を曲げ伸ばしする事で、手綱が馬の動きにピッタリ合えば、ハミも動かなくて済むから馬が楽でしょう」

私が真似をし始めたので、D先生も指導に熱が入ります。

「こう、こう、こうお腹を放り出して身体は弓なりだよ」

「ジョジョ立ちみたいに」

「ジョジョ立ち」

私がイメージしていたジョジョ立ち

ネットから拝借。

「弓なり」ってこういう事ですよねもうちょっと背中を立てますが

D先生を見ながら、えっちゃんの頭を見ながら、私も真似します。ふと見ると馬場横で、座って見学していたA先生とかめちゃんさんも立ち上がって、一緒に同じ動きをしています。肘を曲げ伸ばししながら、腰を、お腹を動かす一団

「脇は少し緩めて良いですよ。いつもしっかり脇を締め過ぎているから、肘が使えていないんですよ」

脇を緩めると、拳が寝てしまうのが気になって、なかなか脇を緩められなかったのですが、今書きながらジェスチャーをしてみると、脇を緩める時に、一緒に手首を捻っていた事に気がつきます。次回は手首の角度は変えずに肘だけ緩めよう私、どんなだけ不自由なんでしょうね

駈歩が終わって、次に正反動行きます。えっちゃんの反動は、レジェンドよりは全然低いのですが、D先生が求めるスピードだと、なかなか座りに行けません。左右の鐙の踏み方を同じようにしようと、自分が思う真ん中より少し左に腰の位置を直しながら行きます。いつも通り一歩一歩見てくださるD先生。

「はい、はい、はい。座れなくなったらどうするんでしたっけはい、そう、そう。馬の首見て、はい、そう。スピードははい、そうそうそう。今座れてないですよ。拳上げて、拳でバランス取らないで」

「手でバランスを取ったり、しがみついたりしないでください。手はハミを通じて馬に指示を与える為のものですよ。手はヒトの物じゃありません、手は馬の物です」

手は馬の物

また名言頂きました

馬の口の中のハミを真っ直ぐに保てているか、という意識を持つようにしたら、エストの動きも変わってきたように思います。

「鐙の上に立って下さい」

立ちますが、直ぐにポテンと落ちます。あれ、おかしいな。私コレ得意なはずなのに何度もトライして、何周もこのまま立てるようになると、

「エストの頭見て」

下がってます

「バランスが良いと馬もコレで良いと教えてくれるでしょ流鏑馬の時もこうしてバランス良く立てると、馬も安定して走ってくれるから、的中率も上がりますよ」

ブリティッシュの鞍でしたが、思い切って手綱をそっと鞍の上に置き、手放します。えっちゃんは首を下げたままスタスタと速歩を続けてくれているので、そのまま馬上で弓を引く仕草をします。突然始まった流鏑馬レッスンに、馬場横にいたA先生が目を丸くしているのが目に入ります

「そうそう、流鏑馬もブリティッシュも一緒ですよ。その感じで弓を引いて」

エアーでD先生を撃ちます

D先生に的中

手綱を手放したまま、鐙を踏むバランスと馬体を抱え込む脚だけの指示で、えっちゃんは20メートルの輪乗り速歩を何周も続けてくれました。うん、流鏑馬の馬もブリティッシュの馬も一緒ですね手綱に頼らないバランス、向上させたいですね

すっかり大満足で下馬すると、A先生が、

「さっきジャッジシートに書いた事がすでに克服され始めていますね。素晴らしい吸収力です」

と声をかけてくださいました。先週辺りに、鐙上げをして、バランスと座りの練習をしたので、今は騎座の修正中なんです、と伝えすると

「このまま頑張って行ってくださいね。順調に伸びていってますよ」

っと言ってただけました。そうして

「最後の両手を放していたのは何だったんですか」

と。私がスポーツ流鏑馬をしている事、D先生が子供の頃 流鏑馬神事をしていた事をお伝えすると

「流鏑馬やった事ないなああ。1度やってみたいな」

と言って頂けました。流鏑馬って興味はあっても、なかなか とっつきにくいものなんですね。流鏑馬のおかげで、この後A先生との会話も弾み、とても楽しい時間を過ごせました。流鏑馬やっててよかった

週末しか馬に乗れない週末ライダーは成長が遅い、と言われています。私はこれが悔しくて。でもこの意味はすごく良く分かるので、馬に乗れないウィークデイにブログを書くことで頭の整理をして、効率的に上達したいと思っています。A先生の言葉の

「このまま頑張って行けば」

の「頑張り」が、どの程度なのかはわかりませんが、出来る限りの頑張りをしていきたいと思います。

濃い2日間は心地良い疲労感で終える事が出来て、全てに感謝しています。これからも怪我せぬよう頑張っていきたいと思いますどうぞよろしくお願いします

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