昨夜、というか今朝方読みました。面白かったです。薄い本なので2時間もあれば読めます。

《あらすじ》
この物語は、明治時代、福島に住んでいた初代の少女の話から始まります。雪崩にあい、雪の中に愛馬と閉じ込められた初代は愛馬の命をもらって、命を繋ぎます。その時、初代のお腹にいた2代目は、18歳になった時に村を出て北海道の根室に開拓者として移住します。自分の命の恩人である血統の馬一頭を連れて。2代目は開拓者としての苦しい生活の中、馬の生産者として生活を安定させていきますが、2代目が老境に入ったある大嵐の夜、根室昆布の収穫作業のために貸し出していた持ち馬の半数を失います。馬が置かれていた無人島の港への道が崖崩れにあい、馬が孤立してしまったのです。大自然と向き合ってきた北の開拓者たちの手にも追えない事態。人の手が及ばない大自然の力を「オヨバナイ」として尊重してきた開拓者たちが、悔し涙を流しながらも「オヨバナイ」と、孤島と化した島に置き去りにされた馬の救出を諦めます。持ち馬の半数を失った一家は馬の生産業を畳み、十勝で農家となります。2代目は馬を失った悲しみに、海に入水しますが、孫娘である4代目に諭され、十勝へ一緒に移住します。

平成の現代。4代目はある日新聞で、子供の頃自分たち一家が「見捨ててしまった」「可哀想な」馬たちが、その孤島で子孫を残しながら生きながらえていたことを知ります。今はその末裔はただの一頭になってしまいましたが。4代目の孫娘である6代目は、祖母の思いと一家としての責任から、その孤島の調査団に直談判し、ただ一頭残った、その馬を助けに向かいます。

「オヨバせたい」強い意志を持って。

《ネタバレ》
この、最後の10ページのために、200ページに及ぶ、長い「伏線」があったのだなと思います。最後に残った馬との出会い。馬の温かい息吹と凛とした気高い姿の描写は、馬好きなら容易に想像できます。

「同情を拒み、共感を拒み、そうして目が示している。
私のどこが哀しいのだ、と。」(236ページより抜粋)

「この子は。この馬は。島に孤り残り、出られないのではない。
生き続けることによって、自らここにいることを選択し続けている。そうしてこの島に君臨している。誰の意に沿うこともなく、何者かに脅かされることもなく、自らの意思によってのみ。この島の王として凛としたその姿には、人間の易い同情など差し挟む余地はまったくない。」(236-237ページより抜粋)

この感動的なラストシーンは、万人の共感を得ることは難しいかもしれません。ディズニー的なハッピーエンドではありませんので。でも、自然を畏怖し、異なる価値観を尊重するその精神は、忘れ去ってはいけないものだと深く心に刻みました。

なんか真面目になっちゃったてへぺろ
今から2鞍乗ってきます競馬
馬って良いですねチュー馬ラブラブ
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自由人マロン様❤️






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