三話限定でしたが、正直にいいます。

恥ずかしさで死ねそうです!

くそっ。あのエロ帝王、私の頭の中で好き勝手に動きまわりやがるっ。(私語、すみません)

魔人さんに理性的と言われて、あれのどこが理性的なのか聞き返したい…。

では、今回から通常記事です。どうぞ。


゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆


「…う…ん…。」

ベッドの上。キョーコが寝返りをうとうとして動くが動けないので、不思議に思って首を傾げたが、身体に何かが巻きついている。

ゆっくりと目を開けて最初に目に飛び込んだのは、のど仏。

一瞬にして目が覚めて、キョーコは顔が真っ赤になった。

(そ、そうだ…っ。わ、私、クオンと…っ。)

男女の事柄になったことを思い出して、キョーコはあたふたする。

(ど、どうしよう…っ。私、どんな顔をすればっ。)

恥ずかしくって、蓮の顔など見れそうにないため、余計にあたふたしていたら、頭上でクスっと笑われたので、思わず顔を上げれば、機嫌が良さそうに笑っている蓮と遭遇。

目があった彼女は、これでもかと言うくらいに体中を真っ赤して、穴が在ったら入りたい気分になったが、穴などないので、変わりに布団を引っ張って、その中に潜り込んだ。

「可愛いな、キョーコは。」

クスクス笑って、蓮は腕の中の存在を一度抱きしめ直してから、彼女を解放するとベッドから出る。

「あ…。」

解放されたことに寂しさを覚えたキョーコは、布団から顔を出すと、蓮が苦笑いして、

「何も食べてないから、お腹空いたよね?何か買ってくるから待ってて。」

彼女のおでこにキスして、ベッドの下に落ちていたワイシャツを着る。

「わ、私も行くっ。」

恥ずかしいが蓮と離れたくなくて、そう申し込んだら、

「もう少し、寝てたほうが良いよ?身体が辛いだろうから。」

彼は困ったように笑って言う。

「え…?」

。そう言われれば、何だか凄くダルい気がしたが、

「じゃあ、行ってくる。」
「あ…。」

パタンとドアを閉め、蓮は出て行ってしまう。

仕方なく、キョーコはシャワーを浴びようとベッドから出て、バスルームに向かった。

洗面台にある鏡に自分をみて、

「…あ。カツラ…。」

いつの間にやら、カツラもネットも外されていることに気づく。

「メイクも落とさないと…。」

バスルームに入り、メイクを先に落として、キョーコは髪と身体を洗い出した。

「あ、お帰りなさい。」

シャワーが終わった頃には、蓮が戻ってきており、

「ただいま。グラタンしかなかったんだけど…グラタンは好き?」

今の時刻は夜中の三時。コンビニしかなく、あったのはグラタンだけだったらしい。

「うん、好き。」
「良かった。あとサラダも買ったんだ。」

テーブルに蓮がグラタンとサラダ、それとお茶のペットボトルを二人ぶん置く。

「食べるまえに髪は乾かしたほうがいいよ?」
「あ…うん。」
「こっちおいで。乾かしてあげる。」
「え…でも…。」
「いいから。」
「うん…。」

部屋で乾かそうと思い、キョーコはドライヤーを洗面所から持ってきたのだが、

それをベッドに座った蓮に渡して、キョーコは彼に背を向けて前に座る。

「あんまり傷んでないね?」
「気を使うようにモ…琴南さんに言われたから…。」
「ああ…なるほど。だから彼女の髪は綺麗なんだね?」

納得したように言う蓮。何だかキョーコはムっとした。

いつもなら、奏江が褒められると自分のことのように嬉しいのに、今は嬉しくない。

「…クオンは髪が綺麗なほうがいいの?」
「え?いや、別に…。」
「じゃ、黒くて、長いほうが好き?」

その感情が声に乗りながら彼女が尋ねると、

「…もしかして、ヤキモチ妬いてるの?」

蓮に逆にそう聞かれたので、

「や、妬いてなんか…っ。」

思わず振り返って、抗議をするが、顔が真っ赤で説得力なし。

「可愛い。」

妬かれた蓮は嬉しそうにキョーコを抱きしめ、

「や、妬いてなんかないもんっ。」
「はいはい。」
「本当に妬いてなんか…っ。」

その唇がもう否定しないように己の唇を重ねたのだった…。