ファースト・ラブ

ー無性に与えられる愛を君へ・・・ー



夜が明けて、キョーコは目を覚ますと久遠が自分を微笑みながら見つめてた。

「おはよう。」

「お、おはよう・・・////。」

顔を真っ赤にしてキョーコは挨拶を返したが、同時に昨夜のことを思い出して体全体に真っ赤になる。

(わ、私、ど、どれだけ何も知らないのよ・・・!!知っていればあんなに恥ずかしくは・・・いえ、知っていても恥ずかしいだろう

けど!!でも・・・!!)

あの行為について何の知識がなかったキョーコは自分を恥じる。

保健体育が何のためにあるのか、今更に思い知ったのだ。

「ご、ごめんね・・・////?」

何となく、久遠に謝ろうと思ったキョーコ。

謝られた彼は首を傾げて、当然の如く、

「どうして謝るの?」

聞いてきた。

「そ、それは・・・その・・・//////。」

(き、訊かないでよ~~そんなこと~~~//////。)

聞き返してきた久遠にキョーコは羞恥心がもっと襲ってくる。

「ぶっ・・・くくっ・・・・。」

そして、何故かこの場で噴出した久遠。

それをみたキョーコはあることが浮かんで悔しいのと恥ずかしいのが合わさる。

「も、もしかして、わ、分っててからかった!?」

「くっ・・・ごめん、ごめん。つい、キョーコが可愛かったから。」

くすくす笑いながら謝る彼。それにキョーコは頬を膨らませ

「ひどーい!!」

寝返って、久遠に背中を見せた。さすがにそれをみた久遠はやりすぎたと思ったのか、

「ごめん、ごめん、本当にごめん。機嫌直して、お願いだから。」

苦笑いして、謝る。謝ってきた彼にキョーコはまだ頬を膨らませながらも、またこちらを向いて

「許してあげる。」

久遠に抱きつく。耳がすごく真っ赤だが。

(本当に可愛いな君は・・・。)

耳を真っ赤にしている彼女を久遠は愛しそうに見つめ、抱き締め返した・・・。

「じゃあ、送ってあげられないけど・・・。」

玄関でキョーコを見送る久遠はすまなそうに言う。

「うん、いいの。気にしないで。」

そんな久遠にキョーコは首を振って言うが

「でも、体ダルイだろう?」

次のその言葉に彼女は再び、顔を真っ赤にする。

「ど、どうして、分かるの!?」

確かに体がダルイのでキョーコは驚くと彼は苦笑いして

「まあ、こっちは四歳年上だから、経験の上かな・・・?」

曖昧に答えたが、流石にその意味が分ったキョーコは

「く、久遠の破廉恥!!もう知らない!!」

なんていい始め出て行こうとするので、彼は慌ててまた謝る。

「・・・じゃあね。」

何とかキョーコの機嫌を直し、彼女は微笑んで言ってくれ

「じゃあ、また・・・。」

久遠は手を振りながら、見送った。

その頃、LMEの社内では、

「ほ、本気ですかぁ!?社長!!」

ローリィの言葉に椹は驚いて叫んでいた。

「ああ、実は俺も一度×はつけたが、限りなく惜しいとは思っていたからな。丁度いいと思ってな。」

「いや・・・そりゃあ、確かについ気になって相談したのは俺ですが!!そんな昨夜の今日で!!」

ローリィの早い行動に椹は驚く。

「な~~に、元々俺もあの子には興味があったんだ。それに一からみっちり育ててやったら、スゲぇ爆弾になったりするかもよ?面白いから、やってみろや。」

「社長・・・」

ローリィの言葉に椹は感動しそうになったが、

「ただし、あの子に何かが欠けているのは確かだ。だから、こそ、それを上回る熱意でそれでも諦めきれないとあの子が

あの子が俺の目に立ってからだ。この企画が動くのは。」

ローリィがそう警告する。

「大丈夫です!!あの子の芝居への熱意は本物だと思いますから!!」

(じゃ、なかったら、あんなリアルな芝居はできないはずだ!!)

リアクションテストをみたときのリアルさに椹はそちらの専門ではないけれど、キョーコがどれだけ芝居に打ち込んでるか

人目で分っていた。そのため、今の言葉にはかなりの自信をもっていた・・・。

「・・・これからどうしよう。」

その頃、キョーコは久遠のマンションを出た後、喫茶店で考え事をしていた。

「朝帰りなんてしたことないし、どんな顔で帰れば・・・。」

(久遠のお陰で自然に笑えるようになったけど・・・これからのこと、どうすれば・・・)

二つのことを同時に。

「っ・・・取りあえず、帰ってきたけど、入りにくい・・・。」

『だるまや』に帰ってきたもの、キョーコは入りにくさで困る。

でも、いつまでもこうしてるわけにもいかないため、深呼吸をし、扉を開けた。

あけて中に入るとおかみさんと大将は今夜の前準備をしていた。

「キョーコちゃん!今までどこで何をしてたんだい!?」

よっぽど心配してくれたのか、おかみさんはキョーコを本当に心配そうな目で見ている。

「えっと・・・そ、それは訊かないでください/////。」

まさか、男性の部屋に泊まっただなんて、キョーコは絶対に恥ずかしくっていえない。

「・・・言いたくないかい?なら、いいけど、せめて、どこにいるとかぐらい教えてほしいわ。」

「すみません・・・。」

お辞儀して、キョーコは謝り、

「それで・・・お二人にお話があるんですが・・・。」

考え込んだ結果を伝えることにした。