短歌 8首

 

北国に異変に苦しむ人のあり言葉にするにあまりに惨(むご)き

 

寒波来る予報の画面に見入りたり遅れ咲きなる白椿散る

 

日向なる温かき場所心得て猫くつろげり冬日のひさし

 

歌うということの意味をばふと思う長き道のり歩いて来たに

 

付きまとう「上手ね」という褒め言葉魔物のように我を縛れり

 

いまさらに歌うとは何かと自己に問う一言で言えぬ深さのあれば

 

伝えるという使命こそ歌にあるさありておのずと心を探す

 

歯を磨く夜の一連の寝支度を昨夜と同じく今日も済ませる