思い立って午後から日向市の奥、東郷町の中島美術館にドライブした。

 

住んでいるところから60キロメートルは超える距離だ。

 

この上もない秋日和に恵まれて快適なドライブができた。

 

通り慣れた国道、沿道のもみじ、多くは紅葉しているのはハゼの木。

 

うっかり手に触れればかぶれるハゼの木だ。

 

・・なんて現実的なことを想いながら走る。

 

沿道の景色の一つ一つに切ないほどに想い出が蘇る。

 

齢をとるということは、思い出が増えるということだ。

 

メディキットという医療器具制作の会社を立ち上げられた先代の中島社長が収集された美術品の数々。

 

近隣の子供たちに本物を鑑賞してもらいたいという気持ちで山間の地に瀟洒な美術館ができたと聞く。

 

横山大観や平山郁夫、東山魁夷等の多くの画家たちの日本画の作品が並ぶ。

 

焼き物もガラス工芸品も洋画も目を瞠る感動を覚える。

 

鹿児島の陶芸作家15代の沈壽官の大作も・・。

 

今回で自分は2回目の入館だったが、初めて行った連れも感嘆の声しきりだった。

 

来年桜の時季には展示内容もまた変わるというのでまた出かけようと心に約した。

 

世界に羽ばたく事業をうごかすその偉業と、かたや一方では世界の名品を展示する美術館の運営と地域への貢献。

 

澄んだ空気の奥日向の地に何か崇高なものを見たような気がして自分自身が浄化されたような気分で帰途に就いた。

 

はるばる美術館にやってきた人をねぎらうためであろうか、飲み物すべて200円の喫茶店が併設されている。

 

広大な敷地と周りの山々を眺めながら飲む珈琲もうまかった。

 

帰途に就いたといっても、日向の名の知れたとんかつ屋の味をむさぼったりしているうちに、途中で秋の日は落ちてしまった。

 

それでも行きたいと思うところを思いつけばそちらに行く。

 

真っ暗になってしまった道を、昔9年も通った職場がどうなっているか確かめたくなって行ってみた。

 

ひと気も灯りもなく暗闇の中にそれはあったが、時代は常に変わるものだということを目の当たりにしたりもした。

 

信号のない海沿いの道をはしり、地域の道をはしる。

 

日向のとんかつで満腹だったが、ドライブスルーでモスバーガーを買った。

 

・・そうよねぇ、次はどこにいこうなんて思うが究極住んでる地域、東は太平洋なんだよなあ!

 

行けるところは3方向しかないのだ。