2023-8-21 14首
白薩摩手にずっしりと重きかな罅に染み込む色を忌たり
白薩摩遠き市にて求めれば黄色き花の満開の時季
冷静に耳を澄まして聞こえ来る声なき声の戒めを聴く
何事も思わぬほうが生きるには楽ではないかと思う日もあり
吾よりも年上の友いないまま若き友らの力を貰う
満面の笑みだらけなりコマーシャル時には自然の画面を見たし
動きある画面を疎む心あり動く以外の表現なしや
若者が笑っておどける画面には辟易としてチャンネルまわす
台風の後の庭には出たくない蚊も雑草も私を責める
喉にひとつ痰の絡めばまだ先のライブのことを案じていたり
譜面見てトークの内容を思いたり夢破らぬよう言葉を探す
忌み言葉今の自分には「ねばならぬ」なんと忌まわしく縛られることか
カーテンを開ければ今日は快晴でしかし暑さが身に堪えたり
半月のそれ以上をも弾かざりし楽器をそっと鳴らしてみるも