手元にある楽譜をあらためてしげしげと見てみた。
シニアのための世界恋歌集 佐藤 愛著
しげしげと見るまでもないのだが、コーラスで声楽の入門歌ともいえるカロミオベン(愛しき人よ)が曲集の中に載っているのでその練習に入った。
歌詞は日本語だったので、頑張って原語であるイタリア語で歌うことにした。
イタリア語はどこか日本で使うローマ字に似ているのでとっつきやすいのがいい。
あいまい音や子音の難しさもない。
ベルカントという言葉がある。
美しい歌の意だが、イタリア語の語感を生かした歌い上げる唱法と言えばいいだろう。
そこはやっぱり地理的な条件がかみ合ってだ。
明るい風土の中で培われてきたものが言語にも人情にもあるのではないだろうか。
子音の複雑なドイツ語や、日本語では使うことのない発語方法を持つフランス語など・・少なくとも自分ではとっつきやすい言語なのだとイタリア語のことを認識している。
3大テノールが活躍したのは1990年代のころからだったが、じつに豊かな声の持ち主たちで世界中を魅了した時期があった。
パバロッティ ドミンゴ カレーラス
パバロッティはそれから早くに他界してしまったが・・。
その一つ一つに思いを馳せるとそのどれにもたくさんの想いがある。
カロミオベンというイタリア古典歌曲一つにも多くの想いがあることに気づく。
恋人にひたすら思いを寄せる男のせつなさが歌われている曲だ。
一生に一曲くらい(・・と言わず何曲でも・・)は歌っておいてもいいかなとコーラスで取り組んだ曲だったが、終わるころにはそれなりにイタリア語で歌えるようになられる。
すばらしい!
いまは、シニアのコーラスも盛んでシニアのために出された譜面も多い。
あまり難しくなく、早過ぎず、高すぎもせず、ハーモニーづくりもやさしく・・。
そして懐かしく‥。
生きてきた中で出会う音楽というのはほんの一握りのものかもしれない。
生きてきた年代が少し違うともう音楽そのものが違っている。
ましてや、年を重ねてきた自分にとって今の「はやり歌」はどうあがいてもついて行けない。
そんな中で歌い継がれている古典もの・・振るい落されなかった名曲の数々・・。
それもこれも大切な我々の宝物なのかもしれない。
2枚目の写真は、その楽譜の表紙の写真だ。
パリのモンソー公園に立つ像で、ショパンと演奏に聞き入るショパンの恋人のジョルジュサンドのイメージ風景。
男が女を 人が人を愛する思いは時代を経ても何ら変わることがない。