1月4日


 よく熱を出す子供でした。

天井の木目が墨流しのように うごめいたり

突然 恐ろしい怪物の姿を出現させたり、
私の最初の記憶は 幼い頃 病床で熱にうか

されて見た悪夢です。



きりんのブログ


そんな 白日のリアル金縛りの恐怖から

救い出してくれたのは 額の上に感じる

母のひんやりとした手と、子守唄のように

繰り返される「大丈夫」の囁きでした。



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普段 どこにしまってあるのか 誰も知らない

白桃の缶詰を 母は なぜか熱を出すたび

与えてくれました。そのせいか 私の潜在意

識に桃缶は風邪の特効薬として刷り込まれ

ています。



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今でも のどを潤しながら甘い芳香を残し

溶けていった冷たい果肉と しわひとつ

なかった 母の白い手を憶えています。




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そんな手も 今は しわくちゃになりました。


ふと尋ねてみました。

「どうして 桃缶なん?」

「そんなこと あったかいな」

本人 記憶になし・・・。

残念、聞くんじゃなかった。




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もうひとつ 確認したいことがあります。

昨年7月に生まれた2匹の子猫に

「まみちゃん」という共通の名前が

付けられた謎・・・。

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勇気を出して聞いてみました。

「どうして まみちゃんなん?」

「なんとなく」

即答でした。

母は 直感の人です。