1 突然変異処理手順
⑧ 育苗培地添加剤 人工ゼオライト
ゼオライトは観賞魚の水槽で水の浄化に使われることが知られていますが、培養土で使う事も出来ます。
その効果は、麦飯石、珪藻土、パーライトとよく似た効能ですが、ゼオライトはこの3種の鉱物の特徴を併せ持った点にあります。
ゼオライトは二酸化ケイ素 (SiO2) の骨格を基本とし、一部がケイ素がアルミニウムに置き換わることによって骨格の一部が負に帯電している。そのため細孔内にナトリウムなどのカチオンを金属イオン取り込み置き換えて電荷のバランスを取っている。人工ゼオライトを別の種類の肥料などのカチオンを含んだ水溶液中に入れると、細孔内と水溶液中でイオン交換・吸着が起こる。この交換反応は可逆的であり、時間が経ち水溶液にカチオンが減少するとイオン交換を生じイオンの放出・吸着が起き性質を強くしたのが人工ゼオライトである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』参考
土壌改良剤として用いられるゼライトは、土壌中に余剰状態で存在するNH+4、K+、Ca2+、Mg2+などの作物の生育に必要なカチオンを吸着し保持、土中に吸着した成分が少なくなると放出して供給する事で肥料効果が継続し、土壌の肥持ちがよくなる。
人工ゼオライトを培土に添加すると無添加に比べ生育は良くなる。ただし人工ゼオライト、合成ゼオライトは多数販売されており性能と用途は各社製品により異なる。試験使用後に決定するのが良い。
特に屋外の圃場にて生産している苗には有効、天然ゼオライトもあるがこちらは通気性を主な用途に添加しており、保肥性用途には使用していない
紹介した人工ゼオライトが現在生産されているかは不明であり、特性報告のみとなる点をお詫びする。
添付資料
人工ゼオライトを活用した育苗培土の保肥性向上
ケシマキリンソウのEMS突然変異処理手順
についてはこれで終了する。
第1回より閲覧いただき、手順を理解して頂ければ化学突然変異試験はできます。
当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。
試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。
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次回より
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