タケシマキリンソウのEMS突然変異手順

1 突然変異処理手順  

③試験の準備・・・試験に使う器具と準備

 

実験は空気が流れる場所で風上に立つ様にします。

テーブル面、床には新聞紙を敷き流下した場合にきれいに回収出来るようにします。

化学突然変異実験には微量計測できる準備と、危険物を取扱中に周囲に飛散・付着する事が有ると想定した対策をしてから実験します。

 

必要品は写真品以外に計量秤、純水、飛散防止に新聞紙等を、その他実験場所の状況に応じた準備をします。 

1 身体保護具

これ以外にマスク、サランラップ、カッパを私は使用しています

カッパは身体保護、ラップは手袋と袖の隙間を塞ぐのに使用します

2 計量器具

液体を使用するので計量は注射器を使用します

左より注射器: 1ml  5ml  25ml   2mlスポイド

実験ごとに使い捨てにします

左より 水計量カップ  試験用容器  分注容器  ハサミ  ピンセット 

 

pH測定品

 

希釈単位

重量%、容積%、モル%の希釈単位が有るので、

実験前にどの単位を取るかを決めて実験中に混同しないようにする

◆単位の接頭語◆

d ( デシ ) = 10¯¹

m ( ミリ ) = 10¯³

μ ( マイクロ ) = 10¯6

n ( ナノ ) = 10¯9

◆単位の種類◆

g ( グラム ) :重さの単位

l ( リットル):体積の単位

mol ( モル ):質量 / 原子量 で表される単位

◆濃度の表し方◆

mol / L = M ( モーラー):溶液1L 中に含まれる物質のモル数を表します

v / v%= vol% ( volume / volume% ):たとえば5 v/v% のエタノールとは、100 ml中に5 mlのエタノールが入っているということです

w / v% ( weight / volume% ):全溶液100 ml 中に何 g の薬液が溶けているかということです

N ( 規定濃度 ):溶液1L 中の溶質のg 当量  当量= g/ 酸・塩基の価数

※水の比重は1.0 g/cm³ と考えていいため、溶媒が水である時は100ml = 100g と考えることができますが、その他の物質を溶媒とするときは、体積= 重さとならないことに注意してください!

1. 試薬を量る

·         電子天秤を使って試薬を量ります。

·         測定用の台の上に分注容器をセットし、TAREボタンを押します。

·         目的とする試薬の量を載せますが、多すぎた分は試薬ビンに戻さないように   します!

2. 混ぜる

·         1.で量り取った溶質と溶媒を混ぜます。最終的な試薬の量を考慮し、まずは少量の溶媒を加え、分注容器内で完全に溶解させます。

·        試験用容器の容量も適切なものを使用するようにしてください。

·        大きすぎる分注容器を用いると、容器内に残る試薬の量が増えてしまい、濃度の誤差が大きくなってしまうからです。

3. 量を合わせる

·         2.できれいに溶解した溶液の量を最終的な目的の量に合わせます。

·        秤量には、作成する試薬に求められる正確さによってメスフラスコあるいはメスシリンダーを使い分けます。

·        溶液を分注容器に注ぎ、目的とする量になるまで溶媒を加えますが、必ず何度か分注容器内に残っている溶液をゆすぎ、加えることを忘れないでください!

·        できた溶液を、十分転倒混和すると試薬は完成です。

★天秤の周りで騒がない!

ちょっとした振動で測定値がずれます。

★混ぜる時の温度に注意!

なかなか溶解が進まないとき、温めることがありますが、温度により植物への効果、植物の腐敗することもありうるのでしません。

★試薬の保存法に注意!

試薬によっては遮光しなければならなかったり、凍結しなければならなかったりします。

適切な方法で保存してください。

また、試薬ビンには、試薬名、濃度、作成日、作成者を記入するのを忘れないでください。

 

試験液の廃棄法

操作法・使い方

1.  廃液を廃液容器に移す.

2.  器具壁に残った廃液も下水に流さないように,少量の水を入れて軽くすすぎ,この洗液も廃液容器に移す.

3.  水道水,蒸留水の順に洗浄する.

酸・アルカリ性溶液の処理

·        高濃度の酸やアルカリは,流しにそのまま捨ててはいけない.アルカリや酸で中和する.

·        酸性溶液の中和には,入れすぎてもアルカリ性になり過ぎない重曹(炭酸水素ナトリウム)がよく用いられる.重曹を溶液に加えてよく撹拌し,泡が生じなくなって少し溶け残るまで加える.

·        中和後の溶液は,他に有害物質が含まれていない場合には,流しに捨ててもよい.

·        pH 5~9 の範囲とは京都市の公共下水道への排水基準(下水道法:下水道排除基準値)に基づくものであり,地方自治体によってはより厳しい範囲に設定している.

 

                     参照資料

九州大学附属図書館 (kyushu-u.ac.jp)

 

当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。

試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。

 

 

次回

タケシマキリンソウのEMS突然変異手順

1 突然変異処理手順 

④   希釈法・調整水・pH・の調整の仕方 

⑤   添加剤としての湿潤剤について解説します。

 

東京都市大学 総合研究所 客員研究員 山下律正

連絡先:yukistr@oboe.ocn.ne.jp  

問合せは、“化学突然変異の件”とタイトルを付けてください

電話での問合せはお断りしております。メールでお願いいたします。