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設計会社・緑化関係者の要求するキリンソウは、
★第1番:草丈が20cmまでの矮性種または、ほふく性品種
★第2番:開花しない品種
★第3番:脇芽の多い品種
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キリンソウ普及のカギとなるのは「草丈を低くする+開花しない=メンテナンスを無くす」 まず開発を期待される草丈の低いキリンソウの開発について解説します。
キリンソウを緑化事業に取り組んでいる設計事務所、ゼネコン、緑化各社で共通する問題点は、「成長した草丈の刈込メンテナンス」ではないでしょうか。
筆者もキリンソウの施工に携わった経験から、開花が終了した6月から7月下旬
に刈込メンテナンスするのとしないのでは、8月以後の景観が天地のように変わるのを経験しました。
特に、流通している常緑性キリンソウ・落葉性キリンソウは、直立性で側芽が極めて少なく”電柱”状に成長し、開花終了後の草丈は、緑化の仕様により異なりますが一般に30cm~40cmに達し、咲き終わった花柄が黒く変色し、場所によっては倒れ覆いかぶさり景観を損なう事も有ります。
そのメンテナンス費用は
100㎡の刈込メンテナンスの費用は2名で1日+産廃処理費を含めると15万円程度は必要となります。
その要望に応えて開発されたのが、矮性キリンソウ「四季彩7,四季彩11,四季彩14」です。
交配での改良は、自然種は30cm以上に成長する性質が有り、交配では実現しにくい問題がありました。そこで化学突然変異技術を利用し、草丈の劣性遺伝子を優性化する事で矮性化を目指しました。
本篇ではこれまでに開発された★第1番:草丈が20cmまでの矮性ほふく種を紹介します。
種苗登録出願品種:四季彩7
ほふく性でカールする枝が多く、春期以後はほふく性となり重なり合い空間を塞ぎ、地表を緑色で覆う (写真1)
四季彩7
長枝でも、株元から花序(花房)までの葉の付け根より側芽が発生する(写真2)
四季彩7
矮性枝の状態、葉と側芽が一体となりだるま状になる(写真3)
四季彩7
矮性枝より葉を取り除き、側芽と花序(花房)の状態
枝はカール状に曲がりほふく状態(写真4)
四季彩7
(写真4)の背面写真
節間(葉の付け根)より発根も見られる
種苗登録出願品種:四季彩12
草丈比較:タケシマキリンソウと四季彩12の比較
草丈は半分程度 葉の大きさはほぼ同じ
種苗登録出願品種:四季彩11
草丈は15cmこの状態で開花する
ライトグリーン種 草丈は半分程度 葉の大きさはほぼ同じ
さらに矮性種
種苗登録出願品種:四季彩14
草丈比較:タケシマキリンソウと四季彩11の比較
約1/3の矮性種
種苗登録申請品種 四季彩シリーズの詳しいくは、紹介掲載まで待って頂くか
メール:yukistr@oboe.ocn.ne.jp まで問い合わせください。
当ブログは化学突然変異実験の手法紹介であり、参考にして実験した結果を保証するものではありません。
試験は発がん性物質を使いますので、適合資格者が取扱い責任を果たし、自己責任で行動してください。
次回はキリンソウ緑化のハードルの一つとなっている。
花について焦点を当てる
「鑑賞するか、開花させるか、しないか」
”化学突然変異育種 実験講座”10 花を変異する :キリンソウ緑化の欠点「枝刈りメンテを無くす」にて解説します。
東京都市大学 総合研究所 客員研究員 山下律正
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