あくまで想像のお話である。

 

例えば、私に小さな娘がいたとして。

 

その子は、いささかおとなしく

地味ではあるが、思いやりがあって

素朴で優しくてかわいい子で

周囲の人に愛されていた、とする。

 



 

そんなある日、都会から

人さらいのような輩がやってきて

この娘をもっと人気者

してやるよニヒヒと言う。

 

最初は断ったけど、輩は

何度も何度も執拗にやってきた。

 


周囲の人も、

これはチャンスだよ真顔

と言う。

 

 

私はだんだん、その甘言を信じてきて

娘にとっては

その方が幸せなんじゃないか?不安

と思えてきた。

 


その子を、輩たちに託すことで

わずかながらお金が手に入る

ことも頭をよぎった。

 

 

それで私は、その子を

都会からやってきた輩たちに

託すことにした。

この子を幸せにしてくださいね悲しい

何度も何度も念を押して。

 


私の娘は都会でスターになった。

お化粧をして、きれいな服を着て

スポットライトを浴びた。


けれども、テレビで見る娘は

ちっとも幸せそうに見えなかった。

 

過剰なダイエットのせいか

すっかり痩せ細り、面差しは

別人のように変わった。

整形手術もしていた。




あれほど「娘の良さをそのままに」と

あの人たちにお願いしたのに悲しい

 

 

約束なんて守られていない。

私の娘は大切にされていない。

あの子の良さも生かされていない。

愛されてもいない。

娘はただただ

金儲けの道具

にされてしまった不安

 

 

なんてことをしてしまったのだろう不安

私は、激しく後悔した。

愕然と打ちひしがれた。

 

私が、あの子を、

あんな連中に

売り渡してしまった悲しい

 

優しくてかわいかった

私の娘はもう

どこにもいない。

 

私はなんてことをしたのだろう悲しい

子どもに申し訳ない気持ちで

いっぱいになった。

 

大切に大切に

育ててきた娘なのに。

どうしてこんなことに不安

もう、取り返しがつかない悲しい

もう消えてしまいたい。

 

こんなお話。



 


以前、デザインの仕事をしていた時に

私の描いたデザインに

勝手に線を描き足す奴がいた。

 

私の作品なのに、他の人の名前で

出されたこともあった。

 

また、短歌を作っていると

頼みもしていないのに、勝手に

私の作品に訂正線を入れて

添削してくるじじいがいる。

 

もうずっと前のことだし、そんなこと

よくあることだ。

けれども、私はいまでも

思い出すと腹が立つし

そいつらのことを許せない。



もし、自分の作品を勝手に
変えるやつがいたら殺意をおぼえるナイフ
と誰かが言ったなら
私はすごくわかる。共感できる。


これが、鬱の人の場合
その他人に向けるべき殺意を
自分自身に向けることがある。

そうして繊細な人間は死に、
無神経な人間だけが生き残ってゆく。


私は、クリエイションの第一線で

活躍している人たちに比べれば、

吹けば飛ぶような鼻毛の

さらに枝毛ほどの存在だ。

 

その程度の私ですら、

作品を勝手に他人にいじられることには

震えるほどの怒りをおぼえる。

 

自分の創るものにプライドがある。

表現に誠実に向き合っている。

線一本、助詞の一文字、隅々まで

意味があって、こだわって創作している。


他人の作品に平気で手をつけるのは

自分がテキトーな創作をしているからだ。





そもそも、私は

原作のドラマ化とか映画化は

要らないと思っている。

 

もともと、小説で発表されたものならば

小説のまま楽しめばいい。

 

もともと、漫画で発表されたものならば

漫画のまま楽しめばいい。

 

文章には言語表現の妙があるし

漫画には漫画でしかできない表現がある。


ドラマを作りたければ、

最初からドラマ用に、

映画を作りたければ、最初から映画用に

発表の場に合った脚本や設定を

用意すべきだと思う。



連載途中の漫画のアニメ化やドラマ化も

やめて欲しい。

個人的には未完の作品は観ない。




私は子どもの頃から

誰よりも、テレビっ子だった。

テレビドラマもたくさん観てきたし

たくさん影響を受けてきた。


 

けれども昨今の

テレビドラマは劣化が著しい。

 

とにかく雑でやっつけで。

有力プロダクションのタレントや俳優の

キャスティングありきで。

短期間で低予算で。

 


そのようにテキトーに作られたものって

ちゃんと視聴者に伝わってますけどね真顔

 


昨今の地上波ドラマは、

観るべきものが極端に少ない。

ほとんどの作品は

内容が浅薄でステレオタイプ。

 


表現されるものには、すべて

表現者の人間性が出る。

薄っぺらでつまらない人間が作れば

薄っぺらでつまらない作品になる。




 2021年から風の時代が始まった。

安物を大量生産する時代は

だんだんと終わってゆくのだ。

 

バブル時代にバカみたいに

あぶく銭ではしゃいでいた連中が

テレビ業界で「偉いさん」になっている。

安くて価値のない物ばかり量産している。

 

でももう終わりだよ?👩🏻

 

かつて最先端だった地上波テレビなどの

オールドメディアなんて、

いまや、最もセンスが古く、時代遅れで

最もメディアリテラシーができてない

斜陽産業である。



 一方、

漫画は世界に誇れる

日本の文化だ。

テレビなんて

あってもなくてもどうでもいい媒体の

下品で傲慢で

金儲けのことしか考えてない連中に

本物のクリエイターの命が

(物理的にも比喩的にも)

蹂躙されるなんて、

あってはならないことだと思う。