4、5歳くらいの一時期、
「おばあちゃん」と呼んでいた人と
二人で暮らしていたことがあった👵🏻👧🏻
私は、その人を
自分の祖母だと思っていたのだが、
ある日、突然
私は本当は、
“おばあちゃん”では
ないんだよ👵🏻
と言ってきた。
そして、ついでみたいに、
あんたが“お父さん““お母さん”って
呼んでる人たちも
本当のお父さんとお母さん
じゃないからね〰👵🏻
と軽く言ってきた。
じゃあ私が“おばあちゃん”
“お父さん““お母さん”と
私が呼んでいる人たちは
誰?👧🏻
事実は、
私が「お父さん」と呼んでいた人は
祖父にあたる人で既に亡くなっていた。
(私のことを溺愛していた)
私が「お母さん」と呼んでいた人は
祖父の後妻で、
私とは血縁関係になかった。
そして、祖父の死後、失踪していた。
私が「おばあちゃん」と呼んでいた人は
祖父の母、つまり曾祖母だった。
ちなみに、私の生物学的な両親も
どこかに存在していたはずだが
幼い私の生活圏にはおらず、
よくわからなかった。
(私自身、興味もなかったような…)
ともかく、私はその時期、
“おばあちゃん”こと曾祖母
と二人だけで暮らしていた。
曾祖母の年齢は、おそらく
70歳前後だったかと思うが
当時の平均寿命が72歳くらいで、
そのせいか、私によく
もし、おばあちゃんが死んだら
あんた、どうする?👵🏻
と聞いてきた。
自分が死んでしまったら
この子はどうなるのだろう?👵🏻
私の行く末を案じていたのだろう。
そんなある日、保育園から帰って来ると
曾祖母の姿が見えなかった。
家中をあちこち探し回って
お風呂場で全裸で倒れている
曾祖母を発見した
おばあちゃんっ!
おばあちゃんっ!
どうしたのっ?!
起きてよっ!
ゆすっても叩いても、
曾祖母は、舌を出して
白目をむいたまま動かなかった
私は、ギャン泣きしながら
外に飛び出して
お向かいの家の玄関をドンドン叩いた。
おばあちゃんがっ!
おばあちゃんがっ!
死んじゃったよぅ~。
泣きながら叫んでいた。
お向かいのおばちゃんが
慌てて出てきて
一緒に家に戻ってくれた。
すると、さっきまで死んでいたはずの
曾祖母が、平然と
お茶を飲んでいる
ではないか!👵🏻🍵
????👧🏻
騒がしいねぇ
どうしたんだい👵🏻🍵
お向かいのおばちゃんは
拍子抜けしたような顔で
なんだ、
元気じゃん
と言って帰って行った。
狐につままれたように茫然とする私に
曾祖母は、
私が突然死んだら
あんたがどうするのか
見たかったんだよ👵🏻🍵
と、種明かしした。
だとしても、そんなやり方って
ないんじゃないの?
本当に死んでしまったと
思ったじゃん
ご丁寧に、風呂場で服まで脱いで
舌出して白目むいて
迫真の演技までしてさ!
私は怒ってしばらく
曾祖母と口をきかなかった。
曾祖母は謝ったけれど、
何日も許さなかった。
その約5年後、
曾祖母は本当に
お風呂で
全裸で死んだ。
入浴中のヒートショクが原因だった。
きっと、死んだふりなんかして、
純粋な子どもの心を傷つけた
バチが当たったんだ
と思う👩🏻
カラッと晴れた日は
曾祖母との日々をよく思い出す。
あったかくて
あけすけで
おもしろい
おばあちゃん👵🏻だったなぁ。
幼い頃、よく、いろんな人から
お前は、おばあちゃんに
性格がソックリだな
と吐き捨てるように言われていた。
きっと私も曾祖母みたいな
おばあちゃんになるだろう。
そう思うと、
苦笑いが止まらない👩🏻