一番下の子と、
二人で食事をしていた時。
ふと話題が、
その子が、
生まれた時のことになった。
3回目のお産だったけど、
3回とも同じように進んで、
楽ちん楽ちん♪
なんてことはなくて、
えーーーー?!
こんなことあるんだ!!
って、
驚かされることばっかりで、
この時一番驚いたのが、
産む時まで、
陣痛が、
10分間隔のままだったこと。
10分間隔の陣痛というのは、
痛みが始まって、
おさまって、
また痛みが始まるまでの長さが、
約10分。
ということ。
一般的に陣痛は、
最初は、
生理痛程度の、
弱い痛みがあることに気づいて、
少ししたら治って、
しばらくしたら、
また同じ痛みがある!
定期的にきてる?
って、
時計を見ながら、
記録を付けたら、
大体15分間隔とかで、
少しづつその間隔が、
短くなって、
痛みも、
よりはっきりとしてきて、
次第に10分間隔、
7分間隔、
5分間隔、
3分間隔、
1分間隔……って、
最後の方は、
とーっても痛いのが、
終わるかも〜〜、
ってタイミングで、
次の波が始まったりして、
ぎょえ〜〜〜〜!!
ってな感じ。
この時の私の場合、
医師の指示通り、
陣痛が10分間隔になったタイミングで、
病院に行き入院。
分娩室近くの個室で、
子宮口が、
赤ちゃんが通れる大きさに、
開くのを待つことに。
前2回の出産経験を元に、
このお産は、
ここから7〜8時間程度かな……?
といった感覚。
前のお産で、
一度始まった陣痛が、
数時間後に次第に弱まって、
消えてしまう……。
なんて経験もしていたので、
とにかく、
そのまま無事に、
お産が進んでいくことを、
ひたすら願いながら、
時を過ごす。
次第に、
陣痛が強くなるものの、
3時間ほど経っても、
10分間隔のまま。
あれ?
まさか、
ここから7〜8時間?
なんて、
嫌な予感がしつつも、
すでに入院して、
赤ちゃんの心音などが、
モニターできていたので、
赤ちゃんは大丈夫。
って思えたのが救いだった。
定期的に、
助産師さんが、
様子を見にきてくれるんだけど、
陣痛と陣痛の合間に、
何事もない平和な時間があるものだから、
「時間、なかなか短くなりませんね〜〜」
なんて、
談笑できてしまう。
「一応、子宮口確認しますね〜〜」
「あれ?」
「開いてる!!」
「もう産めます!!」
「分娩台に移動しましょう!!」
急転直下で、
お産の態勢に。
陣痛と陣痛の合間の、
何事もない時間に、
スタスタと歩いて、
分娩室に向かう。
あと7〜8時間は掛かる、
心づもりだったので、
えっ?
産めるんだよね?
って、
まるで狐に包まれたような気持ち。
この頃は、
陣痛がくれば、
5分くらいは、
痛い時間が続くようになっていたので、
残りの5分は、
平和な時間。
でも、
分娩台の上で、
平和な時間だったことなんて、
今まで一度もなかったので、
何とも居心地が悪い。
ちょっと異例な症例だったのか、
助産師さんたちだか看護師さんたちだかが、
代わる代わるやってきて、
分娩台の上で、
何事もなく横たわっている私の様子を見ては、
「本当に10分間隔のままなんだ〜〜」
などなど口々につぶやいては、
立ち去ってゆく。
そんなこんなしているうちに、
偉そうな人がやってきて、
「状態が安定している、
経産婦さんにお願いしているんですけど、
助産師の勉強をしている学生たちが、
お産にに立ち合わさせていただいてもよろしいでしょうか?」
なんて言ってくる。
そうだよな〜〜。
経産婦にじゃないと、
頼みづらいよな〜〜。
今こうやって、
信頼できる出産のサポートが、
受けられているのも、
助産師さんたちが、
勉強してきてくれているからだもんな〜〜。
今の私が役に立つなら、
まぁ、いっかぁ〜〜。
なんて、
ちゃんと考えられているんだか、
いないんだかな思考回路で、
学生の立ち合いを承諾した。
何人いたかは、
はっきりとは覚えていないけど、
分娩台の頭側左右に3人ぐらいづつ、
6人はいた気がする。
志高い学生さんたちにとって、
初めて見る本物のお産。
少しでも役に立とうと、
思ってくれているみたいで、
汗を拭いてくれたり、
口元に、
ストローを挿したペットボトルを、
差し出してくれたり、
さすってくれたり、
右から左からたくさんの手が、
できうる限りのサポートをしてくれた。
結局、
赤ちゃんを出す為に、
いきめるタイミングも、
最後まで、
平和な時間を挟んでだったので、
休み休みの変なお産だったのだが、
赤ちゃんが無事に生まれて、
取り囲んでた学生さんたちや、
ちょっと覗きにきていたような人たちから、
ものすごくたくさんの
「おめでとうございます!!」
のシャワーを浴びた。
変なお産だったことも、
たくさんの人に見守られている中、
生まれてきたことも、
これまでに、
娘に伝えていたことなのだけど、
「初めての事って、
人間忘れないよね〜〜。
今頃、あの赤ちゃん、
どうなってるかな〜〜?
なんて、
思われていたりするのかな?」
なんていうもんだから、
その着眼点はなかった!
って気付かされた。
「そうだね。
今頃中学生かぁ〜〜。
なんて、
思ってくれているかもね」
素敵な助産師さんとなって、
活躍してくれてたらいいな。
あの時の赤ちゃんは、
元気に大きくなってますよって。
伝えたい。