夕食は、
わが家にとって、
一番みんなが揃う時間。
バタバタしている日は、
20分くらいで、
食卓を整える日もあれば、
気合を入れて、
前日の夜や、
昼から下ごしらえをしたり、
3時間程度時間をとって、
台所でひたすら、
料理をしている日もある。
どんなに手間暇かけた料理だって、
食卓に並べて、
10〜15分くらいで、
みんなの胃袋に収まってしまう。
美味しく食べる一瞬のためだけの、
手間や暇。
そんなものだ。
おおよそ、
子どもたちが帰宅して、
揃った頃が、
食事の時間。
その時間も、
子どもの成長とともに、
みんな忙しくなって、
じわじわと遅くなってきている。
みんなで待てない。
って時間になることもあるので、
そういう子は、
後で、
一人で食卓につく。
最近は、
遅くなる子が2人の時もあって、
パパも、
間に合うように帰ってきたり、
こなかったりなので、
気合を入れて、
家族5人分の食卓を整えたのに、
家にいるのは、
私と、もう1人。
なんてこともあって、
「淋しいね」
なんて言いながら。
2人の食卓。
子どもに、
「自分まで忙しくなったら、
ママ一人で、
もっと淋しくなっちゃうね」
なんて、言われた。
今はまだ、
遅くに帰ってきて食べる人にも、
できるだけ、
温かいものを、
とか、
作りたてのものを、
って動いているので、
夕食作りの手間が増えて、
忙しくしているけど、
そういうことも必要なくなったら、
パパと2人でゆっくりするわ。
って言ったら、
「ママは、
パパと2人で大丈夫なの?」
なんて心配されてびっくり。
子どもの目からは、
親は、
3人の子どもに、
あれやこれやしている姿しか、
見てきていないので、
パパとママ、
2人っきりの時間なんて、
想像できないみたい。
それにしても、
まさか、
パパと2人きりになることを、
心配されるなんて……。
常日頃、
何か言い合いになるようなことが、
あったとしても、
大抵は子どもがらみのことで、
それがなければ、
元々は、
まったり穏やかな夫婦のはずなんだけど、
子どもからは、
そんな理解はないってこと?
「大丈夫もなにも、
この家族はもともと、
パパとママの2人から始まったんだよ」
って言ったら、
「そりゃそうだ……」って、
少しは家族の歴史を、
感じてくれたみたいだった。
とっても賑やかな今、
合宿とかで1人いないだけで、
歯が抜けたみたいに、
心地が悪くて、
落ち着かないのだから、
みんな巣立っちゃったらって、
考えたら、
さぞかし、
静かなものだろうなって思う。
でもね。
だからって、
淋しいから、
誰かが残っても良いかも…‥なんて、
気が緩んで、
このまま居座られるとかは、
話が別。
きっちりと、
自立を目指して、
今、身に付けるべきことは、
身に付けさせる。
この方針を揺るがしてはいけないと、
襷を掛け直す。
家族5人の人生に、
なにがあるかなんて、
誰にもわからないから、
必要に応じて、
手を差し伸べるのは、
当然のこと。
でも、
よっぽどのことでもない限り、
親だっていつまでも、
子どもを支えていけるわけじゃ、
ないのだから、
子どもたち一人一人が、
自分の足で立てるようにするまでが、
私の仕事。
「パパとママは、
子どもたちが巣立ったら、
やりたいことがたくさんあるんだから、
変な心配していないで、
あんたはあんたで、
自分の人生がより良くなるように、
しっかり頑張んなさい」
いつもの調子の小言になってきたので、
子どもはそそくさと退散してゆく。
うちの場合、
子どもが3人いても、
歳の差はあまりないから、
巣立ちが始まったら、
きっと、
あれよあれよという間の出来事。
『空の巣症候群』なんて、
自分のメンタルも、
気遣っていかないとな。
って、
思うこともあるけれど、
子どもを手放さずに、
そばに置くのは、
解決策じゃない。
まずは、
子どもに心配されないくらい、
パパと仲良く過ごすこと。
今日は、
20年目の結婚記念日だって。
子どもたちが、
成人しようかって頃なんだから、
そんなもんか。
驚きだね。