家の近くの畑では、
季節の野菜を作って、
販売してくれる。
お店に名前は特にないので、
お友達との間での呼び名は、
いつからか自然と、
『畑の八百屋さん』
採れたての、
新鮮さはもちろん、
スーパーなどでは、
切り落とされてしまう、
大根の葉っぱや、
人参の葉っぱなんかも、
手に入るので、
本来の大根プラス、
葉っぱを使って、
チャーハンや、
お味噌汁の具に、
人参の葉っぱは、
天ぷらにすると、
家族みんなで奪い合いになるくらい、
人気の一品になる。
わが家は、
子どもが、
よちよち歩きの頃からの常連で、
都市化に伴って、
こういう畑が、
なくなってしまうようなことがあったら、
わが家の食卓は、
どうなってしまうのだろうと、
いつも心配してしまうくらい、
依存している。
販売日も販売時間も限られているので、
販売時刻の前には、
いつも行列ができる。
行列が長いと、
まとめ買いが許されず、
一品あたり1人一点しか買えないので、
同じものがいくつも欲しいとなると、
買い終わったら、
また行列の最後尾に回って、
自分の番が回ってくるまで残っていれば、
買うことができる。
なんてことになるくらい、
大人気。
中には見慣れない野菜も、
並んでいたりもするんだけど、
買う際に、畑の人に、
おすすめの食べ方を聞いてみたり、
行列に並びながら、
前後にいる人にでも、
気になる野菜を、
どう調理して食べているか、
なんて、
ちょっと聞いてみると、
知らない人でも、
結構丁寧に教えてくれたりするので、
行列に並ぶのも、
悪いことばかりじゃなくて、
教えてもらったレシピを、
自分にもできそうだったら、
やってみて、
少しずつ、
レパートリーを増やしてきた。
スーパーと一番違うのが、
季節ごとに売られる野菜が、
はっきりと決まっているところ。
トマトやきゅうりは夏。
大根や白菜は冬。
赤紫蘇は6月ごろ、
枝豆は7月ごろ。
美味しくて大好きなものは、
手に入るたびに、
毎日のようにでも食卓に並ぶのに、
旬を過ぎてしまうと、
ぱたっとなくなってしまう。
一年後、
またその季節がやってきて、
手に入ったよ〜〜って、
食卓に並べると、
今年もその時期なんだねって、
都度都度季節の移り変わりを、
楽しめるようになった。
旬というものを、
子どもたちに、
自然と教えてくれて、
食への興味を、
引き出してくれたことは、
間違いなく、
ありがたい限り。
そんなこんなで、
わが家はみんな、
好き嫌いなく、
何でもいっぱい食べてくれるので、
毎日元気に過ごせる、
源になっているのかなって思っている。
畑の人に、
事あるごとに、
あのよちよち歩きだった子が、
中学生になりました。
高校生になりました。
おかげさまで元気です。
といった感じで、
感謝の気持ちを込めて、
報告をすると、
うちの子野菜を食べなくて、
なんておっしゃる方も、
多いんだから、
お母さんが、
お料理上手だからよ。
なんて、
逆に褒めていただいたりもするんだけど、
旬の新鮮な野菜ほど、
手をかけない方が美味しくて、
洗って切るだけ、
さっと湯がくだけ、
焼いて塩や醤油を振るだけで、
もりもりと食べてもらえる、
一品になることは、
やっぱり、
家の近くの畑で採れる、
新鮮な野菜だから、
なせる技だと思うのだ。
花が咲いてしまったブロッコリーを、
子どもに見せる?って
プレゼントしてくれたり、
たまに、
虫がついていて、
子どもに見つかると、
大騒ぎになるのも、
すぐに観察キットに入れて、
よく観察させてもらう、
きっかけに過ぎない。
野菜も生き物だから、
その時々の天候の影響を受けて、
今年は成長が遅くて……。
とか、
採れすぎて……。
なんてしょっちゅうで、
自然の恵みに、
生かされているなって、
リアルに感じることができるのも、
ありがたい。
「今日の野菜は『畑の八百屋さん』だよ」
って言うと、
家族みんなが幸せ気分になれる。
心も身体も、
わが家を支えてくれている、
大切な存在なのだ。
わが家の観察キットと、
同じものは見当たらなかったのだけど、
あって便利だったので、
類似品をご紹介。