ランドセル選びというのは、

誰に決められたわけでもないのに、

 

小学校入学を前に、

周りと比べて出遅れてはならないと、

あくせくと動き回ってしまう、

不思議な成長イベント。

 

今から書くのは、

今は中高生になる、

うちの子たちが、

もうすぐ小学生になるという時に、

 

わが家が経験した、

いくらか前の出来事の話。

 

 

目まぐるしい日々の中、

一生懸命取り組んだのだけど、

 

上手いやり方ではなかったよなぁ、

と思えることがあれこれ思い浮かんで、

 

良い思い出、

とはなっていない。

 

でも、

 

時間が経った今だからこそ、

冷静に振り返れるように、

なってきている気もするので、

 

まとめてみた。

 

 

特に良くなかったなぁと思う、

女児2人のランドセル選びの中から、

 

今回は、

下の娘の時のことを思い返してみる。

 

上の娘の時のことも、

大きく影響しているので、

 

ひとつ前に投稿した、

『いろいろと問題のあったラン活〜上の娘編〜』を、

先にお読みいただいてから、

こちらを読み進められることがおすすめだ。

 

 

 

 

子どもが3人いると、

気をつけるようにしていても、

 

上の子の時と、

下の子の時では、

どうしても温度差が生じてしまう。

 

下の娘の時のランドセル選びは、

まさにその最たるもので、

 

わが家の場合、

歳の差があまりない為、

立て続けだったこともあって、

 

またまたその時期かぁ……。

と、

やや食傷気味。

 

 

上の娘の時の、

 

あれこれアンテナを張って調べたり、

 

実物を見ないと安心できなかったり、

 

本人の体格との、

思わぬミスマッチがあったりしないか、

試着は絶対だったり……、

 

なんていろいろとこだわっていた頃の、

エネルギーは枯渇しかけていた。

 

 

上の娘の時に、

いろいろなお店を回って、

あれこれと見て、

試着を繰り返してきたけど、

 

このお店の商品は、

決定的にうちの子に合わない。

なんてことは一度もなくて、

 

色とかデザインに関しても、

そこまで強いこだわりもなく、

 

問題なく6年間使えれば良い。

 

装飾も無機質なものよりは、

まぁ、少しくらい、

愛せるワンポイントがあれば良いかな。

 

程度のわが家にとって、

必要な情報はネットで得られるので、

 

まぁ、

普通に選べば、

大丈夫じゃない?

 

くらいのゆる〜い感じ。

 

 

そうは言っても、

ランドセル選びが、

年々早期化している波からは、

逃れられない感じがしたので、

 

一応気にして、

時間があれば、

ネットで調べたりはしていた。

 

 

数年経つと、

変わってくることもあって、

 

上の娘の時にこだわった、

A4フラットファイル対応のものが、

徐々に広がってきていて、

 

選べる種類が格段に増えていることは、

明らかだった。

 

 

へぇ〜〜、こんなのも選べるんだぁ〜。

なんて、

選択肢が増えることは、

喜ばしいことであり、

 

少々疲れ気味の時には、

煩わしいことでもある。

 

とりあえず、

集められるだけ情報を集めて、

いくつか気になるものを絞って、

そこから選べば良いかな。

 

方針を立てて、

一通りの情報をあたる。

 

 

そうこう見ているうちに、

やたらとキラキラした商品に、

目が留まった。

 

当時、大流行中の、

ディズニー映画の、

『アナと雪の女王』がデザインされた、

どこまでもキラッキラなランドセルだ。

 

 

 

巷では、猫も杓子も、

『アナ雪』

みたいなところがあったので、

 

思わず、

近くにいた娘たちに、

「ちょっと見て〜、こんなのまであるよ」

なんて声を掛けた。

 

ランドセルの素材自体が、

パール調で光沢がある上に、

 

銀の箔押しや銀糸の刺繍で、

物語の世界観に合わせた、

雪の結晶が散りばめられている。

 

被せを開けると、

主人公のシルエットが、

デザインされた箔押し。

 

サイドの雪の結晶にまぎれた、

雪だるまのキャラクターの刺繍。

 

鋲やバックル、

ファスナーのスライダーまで、

一部の隙もなく、

キラキラなデザインで作り込まれている。

 

 

「すごいね〜〜」

「こんなのもあるんだね〜〜」

「選ぶのは人それぞれだからね〜〜」

 

なんて、

すっかり他人事で、

そこにいた家族みんなで盛り上がった。

 

 

「かわいい〜〜♡

 私のランドセル、これがいい♪」

下の娘が、

キラッキラな目で言い出した。

 

え?

マジで?

これは話のネタだよ?

 

 

しまった。

また間違えた。

 

そう思った瞬間だった。

 

3度目のランドセル選びを、

手慣れたところで、

適当に済ませようと弛んでいて、

無防備になっていたところを、

攻め込まれたみたいな感じだった。

 

 

探し求めているのは、

6年間飽きずに使えるランドセル。

 

奇抜なデザインや、

キャラクターものは、

私の中では、

まずあり得ない部類のものだ。

 

 

「6年生まで使うんだよ?」

 

「大丈夫!6年生まで使う!!」

 

「6年生になる頃には、

 人気のキャラクターが変わっていて、

 まだそのキャラクターなんだって言われるかもよ?」

 

「それでも大丈夫!!」

 

「途中でやっぱりやめておけば良かったって思っても、

 変えられないよ?」

 

「変えなくて良いよ!」

 

 

子どもの『大丈夫』ほど、

信用ならないものはない。

 

今は良くたって、

上級生になる頃には、

どんな価値観になっているのかなんて、

誰にもまるでわからない。

 

 

まぁ、

本人の希望はわかったとして、

 

まだまだ探し始めたばかりの段階なので、

他にもいろいろ探してみて、

それから決めようね。

 

とりあえず、

一気にのめり込んでしまった娘を引き離して、

少し時間を置くことにした。

 

 

まずは、

私が良いだろうと思う、

いくつかの商品をピックアップして、

娘にプレゼン。

 

家の近くのお店のランドセルコーナーで、

本人が好きそうなランドセルを、

実際に背負わせてみて、

こんなのでも良い、

と思ってもらえないかの試行錯誤。

 

結構しつこく、

いろいろ思いつくことはやってみたけど、

 

本人はすっかり、

欲しいランドセルを買う気満々で、

 

一貫してぶれることはなかった。

 

まさかここまで振り切った商品に傾倒するとは……。

 

 

とは言っても、

親の考えとは違うからとはいえど、

無碍に気に入ってしまったものを却下するのも、

良くないのはわかってる。

 

そもそも、親は、

6年間の小学校生活で、

遭遇するであろうさまざまなことを見越して、

より問題が起こらなそうであろうものを、

選んでいるだけで、

 

それを選べば、

全ての問題が解決するわけでも、

 

それを選ばなければ、

大きな問題が起こるわけでもないことだって、

重々承知だ。

 

なので、

 

冷静に、

本人が希望する商品を、

よく見直してみることにした。

 

 

まず私が譲れない、

A4フラットファイル対応はクリア。

 

上の子たちが使って良かった、

持ち手も付いている。

 

本人が希望する色は、

パールラベンダー。

 

この時期、

上の子たちの時とは変わった、

私の考えがあって、

 

色は、

 

実際に小学校で見ていると、

 

全体を見渡すと、

男の子は黒、

女の子は赤に近いピンクが一番多いけれど、

 

それ以外の色のランドセルを選んでいる子も、

決して少数派ではなくて、

 

気に入って選ぶのなら、

何色を選んでも、大丈夫そうだ。

 

ということ。

 

 

そういう視点で見ると、

 

決して嫌な色味ではなく、

大人の女性が、

パーティなどで使ったって良さそうな、

むしろ上品な色合いだ。

 

キャラクターなどの表現も、

銀のシルエットのみだし、

被せで上手く前面に出ないようになっている。

上級生になった時にも、

子どもっぽいとはならなそう。

 

見れば見るほど、

娘が一途に惹かれるのも納得の、

とってもかわいいランドセルなのは、

共感できるところだったので、

 

次第に、

最初の考えとは一致しないけど、

これはこれで良いんじゃないかな。

という気分になってきた。

 

 

それでも気になったのは、

上の娘の時のこと。

 

露骨なほどの母親主導で、

ほんのわずかな色味の違いくらいしか、

本人の希望を聞いてあげなかったのに対して、

 

下の娘には、

思うがままに決めさせたとなっては、

後々の禍根を残すんじゃないか?

と思ったので、

 

恐る恐る上の娘にお伺いを立てる。

 

「似たようなのが二つあると、

 朝寝ぼけて間違えて持っていきそうだから、

 全然違うのが良いよ」

 

思いがけないほどの、

あっさりとした返事だったけど、

 

すんなりお許しが出たので、

もう、それで良いや。

ということになった。

 

実はこの時、

私の中には密かな打算があって、

 

万が一、

途中で嫌だとなった時、

どんなに嫌がっても、

新しいのを買い替えてやることはないけれど、

 

数年で上の娘のランドセルが、

役目を終えるので、

そのお古でも良いとなれば、

なんとかなるかもしれない……。

ということ。

 

実物を見ることもなく、

ネット注文で、

どんなのが来るかドキドキしたけれど、

手元に届いたのは、

商品情報を見てのイメージ通りの商品で、

娘も私も大満足だった。

 

 

結局は、

下の娘も、

卒業の最後の日まで、

お気に入りのランドセルとして、

大切に使い切ることができたし、

 

心配していた、

キャラクターの評価の変化も、

特になかったみたいで、

 

娘が上級生になった時に、

新一年生が同じランドセルを背負っているのを見て、

まだまだ選んでもらえるなら、

大丈夫だなって、

ホッとしたのが印象的だ。

 

 

無事に済んだ今となっては、

購入時に、

娘が一目惚れした際に、

あんなに躍起になって妨害工作みたいなこと、

しなくて良かったな。

 

とは思うけど、

 

当時の私には、

二つ返事で、

「あら良いわよ」なんて、

すんなり受け入れる度量はなくて、

最後までずっと心配し通しだった。

 

でも、

 

きっと、どのランドセルでだって、

どんな角度から文句が飛んでくるか、

なんて、

ある程度の覚悟はしていたことなので、

 

結局は何も変わらなかったんだろうな。

とも思う。

 

 

こんなに素晴らしいラン活が出来ました!

という話はできなくても、

 

選んだランドセルを、

一回もごねることなく、

最後まで使い切ることができたので、

終わってみれば結果オーライ。

 

楽しく学校に通ってくれるのなら、

何色だって、

どんな模様だって、

何だって良いものなのだ。

 

ご縁があったメーカーがどこも、

ちゃんとした品物を作ってくれていて、

6年間、

子どもの扱いに耐えて、

なんの不満もなく過ごせたことには、

この上ない感謝だ。

 

 

娘2人に、

当時のことを聞いてみると、

 

上の娘は、

自分の購入時のやり取りのことは、

やっぱりすっかり忘れていて、

 

下の子のランドセル選びの時は、

それを選んだら、

学校生活で問題が起こりそうだったら

止めてたけど、

そんな風には思わなかったから、

何にも言わなかった。

だけど、

ママがこれを許すんだ……とは思った。

とのこと。

 

 

下の子は、

ママに何回も、

6年間使うものなんだよ。

これに決めて本当に大丈夫?

って聞かれたの覚えてる。

だから、

6年間使うんだなぁって思ったよ。

だって。

 

何度も確認しておいたことで、

6年間使うのが当たり前って理解していたから、

自由気ままな末っ子だけど、

一度も不満の言葉が出なかったのかもしれない。

 

とはいえ、

 

しつこかったことが、

功を奏していたかどうかは、

わかりようもない。

 

 

とりあえず、

2人とも、

お気に入りのランドセルが持てて、

大満足だったことには、

なんの迷いもなく同意してくれる。

 

 

他の子のランドセルが、

良いと思ったことはないか?

と聞くと、

 

上の娘は、

ほとんどの子は、

持ってしまえば自分のが一番になる。

 

自分のランドセルに文句を言う子は、

自分の名前にも文句を言ってたり、

親ガチャの結果も気に入らない風だったり、

そういう子なんだと思う。

性格だから何をやっても避けられないよ。

 

下の娘は、

エメラルドグリーンの子のが綺麗で、

良いなぁって思った。

 

って、

君の方が好きに選んでるんだぞ〜〜。

 

ってな結果。

 

 

ランドセルって本当に必要なの?

って娘は言っていて、

 

確かに、

もう少し安価な物を、

気が変わったら、

気軽に買い替えができるようだったら、

 

いろんなストレスがなくなるような気がするけど、

 

多感な時期を6年間使い続ける物って、

他にはそんなに思い浮かばなくって、

この上ない愛着が湧くことも間違いない。

 

もう少し時代が進んだら、

きっと、

ランドセルにこだわらない、

新たなスタイルも受け入れられるようになって、

 

その時はその時で、

また違った悩みが出てくるのかな?

 

プラマイ0、

って事で、

 

親の悩みは尽きることはないようだ。