子どもの成長イベントは、
さまざまあって、
乳歯が抜けて、
永久歯が生えてくるのも、
象徴的なイベントの一つ。
うちの子たちは、
私に似て、
抜け変わりのタイミングが、
人と比べると遅めで、
周りの子が4〜8本抜け変わった頃に、
はじめての一本が抜けるので、
誰からも注目されることがない立ち位置。
自分がそうだったので、
早いことはないだろうな、
とは思いつつ、
待っている時間は、
とても長く感じられるため、
安心してその時が迎えられるように、
永久歯のスタンバイに、
特に目立った問題がないか、
歯医者でレントゲンを撮ってもらって、
チェックをしつつ、
その時を待った。
待ちに待った、
はじめて歯が抜けた日。
子どもたちにとって、
周りの友だちみんなが先輩で、
体験談は豊富に耳にしているため、
みんなが言っていたことは、
こういうことなのかと、
答え合わせみたいになる。
乳歯の生え始めは、
むしろ早めの方だったため、
誰よりも長く使った歯への、
愛着もひとしお。
パパもママも、
屋根の上や軒下に放り投げてきたけど、
今時は、とっておくこともあるらしい。
なんて話も聞いて、
抜けた歯の扱いをどうしようかと、
結論がなかなか決めらずにいた。
とりあえず、
小さなチャック付きの袋に、
誰の、どこの歯で、
抜けた日付、
抜けた時にやっていたこと、
通算何本目の抜けた歯か、
なんて事を油性ペンで書いて、
棚の上の方に、
失くさないように置いておいた。
そうこうしているうちに、
2本目の歯も抜けて、
二人目の歯も抜け始めて……。
なんてことになって、
わが家では、
歯が抜けたら、
忘れないうちに袋に書く事を書いて、
洗ってよく乾かした歯を、
しまっていく。
そういうものになっていった。
算数の授業中にいじっていたら抜けた。
サッカーでコーチとぶつかった時に抜けた。
給食で麺を食べていたら抜けた。
ドラマ◯◯を見ていた時に抜けた。
などなど、
その時々の、
子どもの報告をそのまま、
なんとなく書いていただけなのだけど、
しばらく経って、
見返すと、
それだけの言葉でも、
その時の情景をありありと思い出すみたい。
誰かの歯が抜けたタイミングに、
3人とも寄ってきて、
自分の束を見返したりして、
ちっちゃい歯に毎回驚くなど、
なかなか好評だ。
さてさて、
そんなこんなで、
ろくに対策も考えずに、
貯めてしまった抜けた乳歯を、
どうしたものか……?
子どもたちに、
独立した時に、
持っていく気があるかと聞けば、
口を揃えて、
もらってもねぇ……。
と言われ、
そりゃそうだと思う。
人によっては、
臍の緒と一緒に、
棺桶に入れてもらう、
という人もいて、
一瞬、良いアイデア!と思ったものの、
3人分60本の乳歯は、
正直言って多すぎる。
1〜2本ずつくらいなら、
まだ良いかなと思うけど、
問題全部解決!!
という感じでもない。
今のところ、
写真だけでも撮って、
あとは、
切った爪や髪と同じで、
お役目ありがとうって、
ぽいっとするようになるのかな……?
という気分だ。
抜けた乳歯をしまうかわいい箱、
なんかも、
見かけたこともあるけれど、
子どもに贈るならまだしも、
要らないと言われてしまっては、
今更な感じ。
庭に乳歯をまとめて撒くのも、
今更な感じ。
どこか、
ここ!!と思える場所に、
埋められたりできたら、
そうしたい。
いい加減なやり方だったにも関わらず、
欠かさず揃ってしまった、
乳歯が入った袋の束。
はじめて抜けたあの頃から、
抜けた乳歯をどうしようか、
扱いを迷ったまま、
結局、
これぞと思える解決策を見出せずに、
今に至る。
このアイデア良い!!
なんて日が来ないかな?
と期待しつつ、
手放すことは、
いつでもできることなので、
久方ぶりに見直しては、
ああだこうだと、
懐かしく眺めていられるうちは、
とりあえず、
このまま置いておくのかな。
と、棚の上の方を眺めながら思う。